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「犬って、めっちゃかわいい」。この純粋な感情をストレートに表現した楽曲『めっちゃかわいい犬だ!』が、今、愛犬家界隈で大きな話題を呼んでいます。アーティスト・ beiさんが語る、楽曲誕生の裏側、愛犬との絆、そして「かわいい」が持つ無限の力とは。
目次
- 犬と暮らす人なら誰もが共感する曲を作る、アーティストbeiさん
- 「思ったことをそのまま曲に」シンプルな言葉だからこそ伝わる表現
- “かわいい”は力になる。理屈じゃなく、音楽で伝えたいこと
- 「もっと一緒に遊べばよかった」先代犬との別れと残された大きな後悔
- 過去の後悔を教訓に。愛犬との時間は、いつでも「めっちゃ奇跡」
- すべては実家の犬のおかげ。これからも音楽で犬に還元を
犬と暮らす人なら誰もが共感する曲を作る、アーティストbeiさん
「犬って、めっちゃかわいい」。
誰もが一度は心の中で、あるいは声に出して、そう思ったことがあるはずです。
犬を飼った経験がない人でも、その純粋な魅力に惹かれたことは、きっと一度や二度ではないでしょう。
でも「かわいい」って、日常ではあまりに自然に使われるけれど、わざわざ作品や歌で正面から表現されることは多くありません。
そんな当たり前の感情を、真正面から、そのまま歌詞にした楽曲があります。
独特なリズムに乗せて響く「めっちゃかわいい犬だ!」という言葉は、シンプルでありながら不思議と耳に残り、多くの人の心に共感を呼んでいます。
この唯一無二の世界観を創り上げているのは、アーティストのbeiさんです。彼の楽曲は、犬や猫へのまっすぐな愛情が自然とにじみ出ています。
しかし、beiさんの素顔はまだ多くの謎に包まれたまま。一体、この『めっちゃかわいい犬だ!』の楽曲の裏には、どんなストーリーが隠されているのでしょうか? そして、謎多き音楽クリエイター・beiさんの素顔とはどのようなものなのでしょうか?
今回は、これまであまり語られることのなかったbeiさんのペットとの関わりや、動物に対する想い、そしてそれがどのように音楽制作に結びついているのかを深掘りします。
「思ったことをそのまま曲に」シンプルな言葉だからこそ伝わる表現
──beiさんの代表曲のひとつ『めっちゃかわいい犬だ!』。タイトルそのままのド直球な言葉とリズムが印象的ですが、この楽曲はどんなきっかけで生まれたのでしょうか?
beiさん: 実家で飼っている犬をモデルにしたキャラクターを作ったのがきっかけです。
実家で飼っている「めっちゃかわいいチャンピオン」(以下、チャンピオン)をモデルに、"めっちゃかわいい犬"というキャラクターを作ったんです。
そのキャラクターのテーマソングとして作ったのが、『めっちゃかわいい犬だ!』という曲です。

──テーマ曲! 面白いですね。普段も、キャラクターを作ってから歌詞や曲を作るんですか?
beiさん: いえ、普段は日常生活で自分がふと「言っちゃったこと」を歌詞にすることが多いです。「めっちゃかわいい」とか「まじやばい」とか、文字にすると本当にくだらないことばかりなんですけど、それをそのまま曲にしてる感じです(笑)。
──率直な気持ちを、そのまま音にしているんですね。
beiさん:そうですね。僕、あんまり説明するのが得意じゃなくて。
「めっちゃ」とか「まじ」とか、あえて曖昧な言葉を使うことで、ニュアンスごと伝えられる気がしてます。理屈で説明するより、感覚的な言葉で“ふわっと”伝わることのほうが効果的な場合もあるなと思っていて。
──曲に明確なメッセージを込めているというより、「何かを感じてもらえたら」という感覚なんですね。
beiさん: まさにそんな感じです。
もともとは面白い曲ができたら、友達にLINEでシェアするノリだったんです。でもだんだん反応してもらえなくなってしまって(笑)。それでSNSで発信するようになりました。
──SNSに公開するようになって、反響は変わりましたか?
beiさん: めっちゃ変わりました(笑)。友達に見せる感覚で出してたら、思った以上に多くの方が聴いてくれて。
中でも『実家のネコ実家のイヌ』はびっくりするほどの反響がありました。

https://youtu.be/umEmM1b8dsk?si=Q44phmSu88e0ce58
これはチャンピオンのことを思い出して、「実家の犬に会いたいな〜」って気持ちからできた曲なんです。
いつものように思ってることをそのまま曲にして出した1曲だったんですけど(笑)。
──でも想像以上の共感の声が届いたと。
beiさん:はい。『巣立った息子に送りました』とか『これは実家犬持ち全員泣く』とか、たくさんのコメントをいただいて。
「みんな、こんなにも実家の犬のことを想ってるんだ」って、僕の方が驚いたくらいでした。
──友達にシェアしている感覚とのことでしたが、SNSに曲を公開するようになってから、変化はありましたか?
beiさん:フォロワーさんとのコミュニケーションが増えたことですね。フォロワーさんたちが、 日々愛犬の写真をDMで送ってくださるんです。
犬と暮らす皆さんは、愛犬たちへの愛が大きいんだなと感じています。
──愛犬の写真がたくさん送られてきているんですね! 歌詞から、beiさんが犬好きなのが伝わってくるから、親近感を覚えるのかもしれないですね。
beiさん: たしかに。僕も友達にチャンピオンの写真を送るので、そういう感覚に似ているかもしれませんね。もはや「アーティスト」っていうより、犬仲間として思われてるのかもしれないですね(笑)。
犬が好きってだけで、人との距離がかなり近くなると実感しますね。

“かわいい”は力になる。理屈じゃなく、音楽で伝えたいこと
──ファンやフォロワーの中では、beiさんは「犬が大好きな人」として親しまれていますよね。
beiさん: そうですね(笑)。でも時々、ムツゴロウさんのような「動物に詳しい人」みたいな印象を持たれることもあって。
でも実際は、ただのいち犬好き。ほかの飼い主さんと同じで、“普通に犬が好き”っていうだけなんです。
──実は私も、beiさんは動物にとても詳しい方なのかなと……。
beiさん: いえいえ、実はこの音楽活動をきっかけに、初めて知ったことも多いくらいなんです。
たとえば、保護犬や保護猫の存在や、それを支える活動があるということも、フォロワーさんからのDMやコメントを読む中で初めて知りました。

──そうした学びが、楽曲制作に影響を与えるようなことはありましたか?
beiさん: 曲の作り方が大きく変わったわけではないんですが……最近は、「犬ってかわいい」という当たり前の感情をちゃんと発信することにも意味があるのかも、と思うようになってきました。
──「かわいい」って、当たり前すぎて意外と歌詞にはされてこなかった気がしますね。
beiさん: そうなんですよ。でもその一言が、すごく力を持っていると思うんです。
たとえば、人でも動物でも、対象に対して「かわいい」って思っていたら、傷つけようとは思わないじゃないですか。
「かわいい」っていう感情が広がれば、戦争も虐待もなくなるかもしれない。なんて、ちょっと本気で思ったりもします。
──たしかに、「かわいい」と思うことで、見方が変わることってありますよね。
beiさん: だから僕は、音楽を通して、みんなの中にある“かわいい”という気持ちを呼び起こせたらいいなと思っています。
──beiさんの曲から、ふとそんな気持ちを思い出したという人もきっと多いはずです。
beiさん: そうだったら嬉しいですね。
あと最近は、保護犬や譲渡会のことを知るきっかけにもなれたらいいなと思っていて。僕自身がそうだったように、そういう世界を知らない人って、まだまだ多いと思うので。
──音楽が、新しい世界を知るきっかけになれたら素敵ですよね。
beiさん: そうですね。でも僕は、活動家でもないし、理屈で何かを伝えるのは得意じゃないので。あくまで「自分が楽しくて、面白いと思える音楽」を作って、それが自然と誰かの心に届いてくれたら嬉しいなって思っています。
「もっと一緒に遊べばよかった」先代犬との別れと残された大きな後悔
──beiさんの楽曲には、実家の犬・チャンピオンちゃんがたびたび登場しますが、その子は初めて迎えた愛犬だったのでしょうか?
beiさん: いえ、チャンピオンは2匹目で、その前にラブラドールレトリバーのめっちゃかわいいキング(以下キング)という犬と暮らしていました。
僕が小学校3年生のときに、家族で「犬を飼おう」となって迎えた子です。とても人懐っこくて、賢くて、かわいい性格でした。

──幼い頃から一緒にワンちゃんと過ごされたんですね。
beiさん:はい。毎日当たり前のように一緒にいたので、「ずっと一緒にいられる」と思っていたんです。
でもキングが12歳を過ぎた頃、突然けいれんを起こすようになって……それまで本当に元気だったのに、急に体調が悪化して、病院では脳腫瘍と診断されました。
──とてもショックだったのでは......。
beiさん: 正直、何が起きたのか分からなかったです。
犬を飼ったのはその子が初めてだったし、「犬が歳を取るとこうなる」という知識もなくて。
前日まで普通だったのに、いきなり寝たきりになっていく姿が信じられませんでした。
──何の前触れもなく、元気がなくなると不安でたまりませんよね。
beiさん: 病院では集中治療室に入りましたが、状態はなかなか良くならず、安楽死という選択肢も提示されて……。
そのときだけは、僕が「嫌だ!」と強く反対したのを覚えています。
そこから少しだけ奇跡のように回復して、自力で水を飲んだり立ち上がったりできるようになって。それから1年、一緒に過ごせました。

──最後に一緒に過ごす時間がとれてよかったですね……。
beiさん: そうですね。でも、亡くなったときに強く思ったんですよね。
もっと遊べばよかったなって。なんであのとき、友達ばっかり優先して、散歩に行ってあげなかったんだろうって。子どもだったとはいえ、後悔が残りました。
過去の後悔を教訓に。愛犬との時間は、いつでも「めっちゃ奇跡」
──その後、4年ほど経って迎えたのが、『めっちゃかわいい犬だ!』のきっかけとなったチャンピオンちゃんということですね。
beiさん: はい。チャンピオンは知り合いから預かっていた犬で、ひょんな出会いでうちに来てくれました。
──先代犬・キング君を飼っていた頃と比べて、犬との関わり方が変わったという実感はありますか?
beiさん: はい、全然違います。今、僕は一人暮らしをしていて、チャンピオンとは実家に帰ったときしか会えないんですが、いつも「これが最後」のつもりで会っています。
チャンピオンももう14歳。キングが亡くなったのと同じくらいの歳になりました。歩くのが遅くなったり、ソファに登りづらくなったりと、衰えを感じるようになったのでなおさら意識していますね。

──「これが最後」のつもりで会う......。
beiさん: 大人になると実家に帰る頻度は減ってしまいがちですが、今でも月に2回ほどは帰省を意識しています。
実家に帰る理由は100%、チャンピオンのためです。
──チャンピオンちゃんへの愛が大きいですね!
beiさん:やはりキングとの別れのときに、「一緒に過ごせる時間」というのを心から感じたんですよね。
キングとの別れを通して、何かを失うことが特別なんじゃなくて、今、同じ場所で一緒にいることのほうが特別だ、と気づいたんです。
犬に限らず、友達や家族もいつかは会えなくなってしまう。そんなときでも会えなくなることを悲観するのではなく、会える時間を大切にしたいと思っています。
──素敵な気づきですね!
beiさん:今では、チャンピオンと一緒に寝たりもします。キングのときは外飼いだったのでできなかったので。出来る限りずっとチャンピオンとは一緒にいたいんですよね。
家族の中で僕が1番チャンピオンを可愛がっている自信があります!(笑)
愛犬との別れを経て作った曲:『めっちゃ奇跡』
https://youtu.be/7YVW1ZL3dH0?si=LIktCydRCDCIgqa8
すべては実家の犬のおかげ。これからも音楽で犬に還元を
──beiさんがチャンピオンちゃんを溺愛している様子が目に浮かびます。今後、ご自身の家で犬を迎える日も近いのではないでしょうか?
beiさん:迎えたい気持ちはめちゃくちゃあるんですけど……今は賃貸ですし、仕事も忙しくて。
でも、働き方や住環境が整えば、すぐにでもお迎えしたいと思っています。
──その日が訪れるのを楽しみにしています! 音楽活動の面では、今後どんなことを考えていますか?
beiさん: 音楽だけでなく「ものをつくる人間」として、やりたいことは色々あります。その中でも、犬や猫に関する曲やアート作品を作り続けたいという思いは強いですね。
今たくさんの人に曲を聴いてもらえているのも、すべては実家の犬・チャンピオンのおかげ。だからこそ、作品を通して犬に何か還元できたらと思っています。
──犬に恩返し……とても素敵な目標ですね。では最後に、愛犬家の読者に向けてメッセージをお願いします。
beiさん: 僕が言えることといえばこれですかね
「犬って、めっちゃかわいい!」
このひと言に尽きます。理由とか理屈とかじゃなくて、ただそう思えることが、たぶん一番大切なことなんだと思います。
──beiさんのお話、そして音楽から、「かわいい」という気持ちの大切さをあらためて感じることができました。そして、愛犬との今を大切にしようと思えました。ありがとうございました!