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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
人間よりも年をとるのがはやい犬たち。老犬とされるのは一般的に7才以降で、加齢により体にさまざまな変化が起き始めます。これまで吠えなかった犬が年をとってから吠える場合は、もしかすると病気やケガなどの可能性も。老犬が吠える理由と対処法を見ていきましょう。
目次
- セミシニア期の犬が吠えるのはなぜ?
- セミシニア期の犬が吠えやすくなったら健康診断へ
- シニア期の犬が吠える理由は?
- シニア期の犬が夜鳴きをするならこうしよう
セミシニア期の犬が吠えるのはなぜ?
老犬とは、一般的に7才以降(大型犬は5才以降)を指します。中でもその前半にあたる7~10才未満(大型犬は5~8歳未満)の時期を、ここでは「セミシニア期」と名づけます。
例えば、これまで飼い主さんにさわられても平気だった犬がさわられたときに吠えるのは、病気やケガで体が痛いなどの可能性があります。また、視力や聴覚、嗅覚などが低下することで、今まではなんともなかったことに対して驚いたり、怖いと感じたりてしまうこともあります。そのため吠えることが増えてしまうことも。ふだんの様子と変わったところがないか、日々チェックするようにしましょう。
セミシニア期の犬が吠えやすくなったら健康診断へ
セミシニア期の犬が吠えやすくなったら、動物病院で健康診断を受けるのがおすすめです。目に見えない異変があることも考えると、やはり獣医師にチェックしてもらうのが一番。年に1回だった健康診断を2回に増やすなど、受診の機会を増やすといいですよ。
また、老犬の飼い主さんからは、「今までは穏やかだったのに急に怒りっぽくなり、吠えるようになった」という声もよく聞かれます。
これも病気による可能性があるので、年のせいとは思わずに、動物病院で検査を受けましょう。
シニア期の犬が吠える理由は?
犬が10才(大型犬は8才)を過ぎると、セミシニア期よりもさらに加齢が進んだ「シニア期」となります。
筋力や体力の低下や嗅覚、視力の低下などに加え、この時期は脳の機能が低下し始め、夜鳴きや遠吠えが始まることも。体の痛みや不安で吠えやすくもなります。飼い主さんがサポートしつつ、気になる点はかかりつけの獣医師に相談しましょう。
シニア期の犬が夜鳴きをするならこうしよう
夜鳴きや遠吠えをしにくくするには、夜にぐっすり眠らせることが効果的です。昼間はなるべく起きていられるよう、一緒に散歩したり、ひなたぼっこしたりしましょう。
足腰が弱くなって歩かせるのが難しいなら、抱っこしながらの散歩やカートに乗せて歩くのもOKです。
家の中ではのんびりと過ごすのも大切な時期ですが、体調に問題がないようであれば好きな遊びやおやつなどを使って、刺激を与えることもしてみましょう。
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