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香港とベルギーでの犬と猫への新型コロナウイルスの感染というニュースを見て、「うちのわんちゃんにもコロナが感染するの?」「わんちゃんが感染したら自分も感染してしまうのでは!?」と不安に思っているオーナーの方も多いと思います。このニュースを受けて、公益社団法人東京都獣医師会は以下のような見解を出しています(2020年4月8日時点)。さっそくご紹介していきます。
目次
- 新型コロナウイルスはペットからヒトへは感染しない!
- 新型コロナウイルスからペットを守るために飼い主ができること
- 自分が新型コロナウイルスに感染した時のわんちゃんへの接し方
- 飼っているわんちゃんが新型コロナウイルスに感染したのではないかと心配な時は?
新型コロナウイルスはペットからヒトへは感染しない!
OIE(国際獣疫事務局)によると、新型コロナウイルスに感染した方が飼育している犬から、このウイルスの弱い陽性反応が見られたと香港当局は報告しました。また、3月27日には猫の感染が確認されたとベルギー当局が発表しています。いずれの報告も、新型コロナウイルスが犬および猫にうつる可能性を示していますが、香港当局およびベルギー当局は、新型コロナウイルス感染症は、ヒトからヒトにうつる病気であり、ヒトから犬および猫への感染は一般的ではないことを強調しています。
現時点では、東京都獣医師会を含め、世界の多くの専門家は、伴侶動物を日常的に検査する必要はないと考えています。次々に新しい情報が発信されていますが、新型コロナウイルス感染症はヒトからヒトへ感染する病気であり、ヒトからペットに感染した(ペットからウイルスが検出された)としても、ペットがヒトに病気を移す可能性は限りなく低いだろうと考えています。今後も人と接点があるペットやその他動物に関する様々な報告が行われることが予想されますが、 冷静に情報を取捨選択し、落ち着いてのご対応をお願いします。
新型コロナウイルスからペットを守るために飼い主ができること
東京都獣医師会としては引き続き、オーナーの方が新型コロナウイルスに感染しないことがペットを守るために最も大事であると考えています。外出制限がある状況ですが、犬の散歩や短時間の運動については、人混みを避けたルートを選び、オーナー同士の立ち話や、通行人と犬との濃厚接触を避けるなど、感染対策を行った上でそのまま継続して問題ないでしょう。帰宅時には手洗いなどの感染対策を忘れないようにしてください。
自分が新型コロナウイルスに感染した時のわんちゃんへの接し方
オーナーの方が入院する際、ご家族など他にわんちゃんの世話をしてくれる方がいる場合は、その方にお世話をお願いしてください。自宅で療養する場合にはわんちゃんの体表にウイルスが付着しないようにするために、療養中の部屋にわんちゃんを出入りさせないようにしましょう。また、汚染したマスクやリネン類にわんちゃんが接触しないように注意してください。
自宅で世話することができないようでしたら、信頼できる方になるべく早くお預けするほうが良いでしょう。ご家族が自宅でお世話する場合や、他の方に預ける場合も、わんちゃんの体表などを介して感染伝播させないため、しっかりとシャンプーすることが望ましいと考えます。シャンプーをする場合は、お湯が出る勢いを弱くして、毛に当たったお湯がご自身および周りに飛び散らないよう工夫するといいでしょう。丁寧に体表をお湯で流したあと、シャンプーをしてください。
シャンプー後、わんちゃんを拭いたタオルは一般的な家庭用洗剤で洗濯してください。お世話を頼む方にわんちゃんをお渡しする際には、キャリーバッグや首輪、リードなどは、0.05%に薄めた家庭用塩素系漂白剤で拭いた後、塩素を拭き取るためにもう一度水拭きしてください。わんちゃんとの別れが辛いからといっても、抱きしめたりしないよう注意してくださいね。
お世話を頼める方が見つからず、オーナーの方が無症状・軽症である場合には、ご自身でお世話することが理想です。しかし、ご自身から他の方に感染拡大しないように、またわんちゃんの体表などに付着したウイルスが他の方の感染源とならないよう、注意が必要です。
飼っているわんちゃんが新型コロナウイルスに感染したのではないかと心配な時は?
オーナーの方が感染者でない限り、わんちゃんへの感染を心配する必要性は少ないと考えられます。もし、わんちゃんへの感染が心配であるなら、人混みに連れて行かないようにし、できるだけ感染のリスクを減らすよう注意して生活してください。新型コロナウイルスに感染していた人とわんちゃんが濃厚に接触したことが分かっていて、その後わんちゃんの体調が悪くなったという場合には、かかりつけの動物病院に電話をかけましょう。わんちゃんを動物病院に連れていく前には必ず事前に連絡を入れるようにしてください。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。
※この記事は 2020 年4月8日時点の情報に基づいて作成しています。
出典:東京獣医師会からのお知らせ(新型コロナウイルスについて)◆2020年4月8日時点の情報