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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬にとって水は、食べ物の消化・吸収や体温調整など生きるために重要な役割を果たしています。水には水道水や水素水などさまざまな種類がありますよね。そこで今回は、犬に与えていい水の種類についてご紹介します。
目次
- 日常的に犬に与える水は「水道水」がおすすめ
- 「軟水」「井戸水」なども犬に与えてOK
- 「水素水」「硬水」などは与えるときに注意が必要
日常的に犬に与える水は「水道水」がおすすめ
犬の飲み水は毎日交換し、常に新鮮なものを与えることが基本ですから、手軽に使える水道水は、犬の飲み水としておすすめです。とくに、日本の水道水は犬に合っているとされる軟水で、かつ安全性についても厳しく管理されているため、安心して与えることができるでしょう。
なお、水道水のカルキのニオイが気になる場合は、一度沸騰させてよく冷ましてから与えるとよいですが、愛犬がそのまま問題なく水道水を飲むなら、あえて沸騰させる必要はありません。
「軟水」「井戸水」なども犬に与えてOK
水道水のほかにも、以下でご紹介する水は、犬に与えることができます。
軟水(超軟水)
軟水とは、カルシウムとマグネシウムの含有量が1Lあたり120mg未満の水で、なかでも含有量が少ない水を超軟水といいます。犬にはミネラルが少ない水が適しているとされるので、水道水同様、犬に与えてもOKです。
井戸水
飲用水として使われている井戸水は基本的に犬に与えても問題ありません。地域によっては尿石症(にょうせきしょう)の原因となりうる成分が含まれているケースもありますが、井戸水だけが原因で発症することは考えにくいので、それほど心配はいらないでしょう。
「水素水」「硬水」などは与えるときに注意が必要
水素水
水素水は犬に与えても害はありませんが、犬の健康にいい効果を発揮するのかは、今のところ明らかになっていません。また、水に含まれる水素は、ボウルに注ぐことによって抜けてしまうという説も。
硬水・超硬水
ミネラル含有量が1Lあたり120mg以上の水を硬水、180mg以上の水を超硬水といい、多くの場合は犬に与えても問題ありません。ただし、まれに硬度が高すぎるものがあるので、すでに尿石症などの病気がある犬には特にそれを飲み水として常用することはやめましょう。
人用の経口補水液
経口補水液とは、糖質やミネラルが含まれている水のこと。緊急のときに薄めて与えるのはいいですが、ふだん使いはNGです。経口補水液を与えたい場合は、犬用のものにし、用量を守って与えてください。
温泉水
飲料用のものを少しだけ与えるなら問題ないですが、毎日の飲み水には不向きでしょう。なお、ナトリウムなどのミネラル含有量が高い場合があるため、尿石症などの犬には与えないでください。
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