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外出先などでよく見かけるペットカート。あればわんちゃんとお出かけするときに便利そうに思えますが、実際にところはどうなのでしょうか? 今回は、chicoどうぶつ診療所所長の林美彩先生に教えていただいたペットカートのメリット・デメリットについてご紹介します!
目次
- ペットカートを使うメリットとは?
- いいことずくめに思えるペットカートにも実はデメリットが!
- ペットカートを使う際はマナーと安全面に注意して!
ペットカートを使うメリットとは?
わんちゃんにとってペットカートを使うメリットは意外と多いもの。どんなわんちゃんにも共通していえるのは、安全面でのメリットです。混雑する場所で踏まれたり蹴られたりしてしまうリスクを減らせることだけでなく、慣れない場所にお出かけをするときに、その子にとっての「居場所」を作ってあげることもできます。また、病院の診察待ちのときも、ペットカートに乗せておくことで感染防止ができるので、そういった面でも一役買ってくれるでしょう。
安全面以外にもメリットはたくさんあります。シニア犬で足腰が弱っている犬や、疾患などで歩くことが難しい犬のお散歩にもってこいです。歩くことはできなくても、外の空気を吸ってリフレッシュすることができますよ。お散歩を始める前の子犬にも、外の環境に慣れる準備のひとつとしておすすめです。他にも、多頭飼いのご家庭では移動手段としてペットカートを利用するとお出かけやお散歩がスムーズになるでしょう。
ペットカートを使い始めるベストなタイミングは、自宅に迎え入れたとき。自ら進んで入ってくれる子もいれば、怖がってなかなか入れない子もいます。そのような子には、おやつなどを使って「ペットカートに入るといいことがある」と覚えさせてあげるとよいでしょう。デメリットが!
いいことずくめに思えるペットカートにも実はデメリットが!
いいことずくめのように思えるペットカートですが、デメリットもゼロではありません。一番のデメリットは、オーナーには大きい、かさばるペットカートを選んでしまうと、扱いづらさから事故につながる可能性があるということです。かといって、小さめのものを選べばよいというわけではないため、選択には注意が必要です。
ペットカートを購入する際は、わんちゃんの体格の他に「どこで使うのか」「いつ使うのか」ということを明確にした上での購入が望ましいでしょう。特に、女性オーナーが1人で行動する場合、重いペットカートはおすすめできません。他にも、飛び出し防止用リードの有無やブレーキ、車輪のつくり、窓のつくり(通気性)などをよく確認した上で検討してください。
他のデメリットとして、ペットカートの中でわんちゃんが暴れて転倒してしまうリスクがあることや、段差が多い場所では使いづらいこと、公共交通機関が使えないケースもあるといったことが挙げられるでしょう。
また、わんちゃんの中には、「歩くよりもカートのほうが楽、カートに入るとおやつがもらえる」という認識が根づいてしまい、歩かなくなってしまう子もいらっしゃるようです。おやつの与えすぎにも注意が必要かもしれません。
ペットカートを使う際はマナーと安全面に注意して!
ペットカートを使用する際に注意したい点は、マナーと安全面の2つです。特に、公共交通機関を利用する際は、マナー対策が必須です。全ての人がわんちゃん好きというわけではありませんし、オーナーのマナーが悪いためにわんちゃんが苦手という方も一定数います。交通機関によってペットカートの使用可否が決まっていますので、ホームページなどで確認しておきましょう。別料金が発生する場合もありますので要注意です。
安全面の注意としては、温度と場所がポイントです。たとえメッシュ素材の窓でも、ペットカートの中は気温が上がりやすく、知らないうちに熱中症に陥ってしまう子も。定期的に窓を開けたり、様子を確認したりして、ペットカート内の温度を調整してあげてください。接触冷感のマットや凍らせたペットボトルなどを入れておくのもよい方法です。窓を開ける際には、わんちゃんが飛び出さないように注意してくださいね。
また、段差と人混みの場所にも注意が必要です。段差はペットカートが不安定になりがちで、転倒の恐れもあるため、なるべく避けたほうが無難です。どうしても通る必要があるときには、いつもより慎重に。人混みでは、ペットカートでの移動がかえって手間になることもあります。混雑する時間を避けたり、なるべく空いている場所を選んだりして工夫してみましょう。
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