スムース・コリーの性格や特徴は？飼い方のコツや寿命などについて解説【獣医師監修】

犬種名	スムース・コリー
英語名	Smooth Collie
原産国	フランス
分類	大型犬
グループ	1G：牧羊犬・牧畜犬

スムース・コリー【英語：Smooth Collie】は、フランスが原産の大型犬です。
ジャパンケネルクラブの犬種分類では、家畜の群れを誘導・保護する「1G：牧羊犬・牧畜犬」に属します。

コリー種の起源は古く、スコットランドに「スコッチ・コリー」と呼ばれた犬種がいたことが確認されています。スコットランドでは、羊の群れを統制する牧羊犬として働いていました。初期のスムース・コリーは、イギリスで牛飼いや家畜商の犬として働き、現在より体高は低く頭部も重たげでずんぐりとしていました。

しかしショードッグとして人気が出ると、ラフ・コリーとの交配が繰り返されて、ラフ・コリーの性質が強く出て、被毛の長さや色意外に違いの少ないエレガントな容姿になりました。

体高：オスは56～61cm、メスは51～56cm
体重：オスは20.5～29.5kg、メスは18.0～25.0kg

スムース・コリーは大型犬に分類されます。

スムース・コリーの平均寿命に関するデータはありませんが、『アニコム家庭動物白書2021』によると、大型犬の平均寿命は11.5歳となっています。

犬を迎える際は、最期のときまでしっかり世話ができるかを考えておきましょう。
犬をみとる頃に自分は大体何歳になるか、犬の介護ができるか、自分の生活環境や経済状況などもあわせて考えなければなりません。

犬を迎えようと考えているシニアの方は保護犬などで成犬を迎えるケースも検討するほか、万が一自分が世話できなくなった場合を想定しておくことも重要です。犬の世話を頼めそうな人にあらかじめ相談して承諾を得てから迎えたり、老犬ホームといった預かり先を決めたりして急な環境の変化に備えておきましょう。

ジャパンケネルクラブの犬種標準によると、スムース・コリーの毛色は次の３色を認めています。

・セーブル・アンド・ホワイト…セーブルとは、黄褐色または毛先が黒っぽい毛が混じり重なったもの
・トライカラー…ブラック、タン、ホワイトの３色からなる毛色のこと
・ブルーマール…ブラックとブルーとグレーの混じった大理石模様の毛色のこと

引き締まった体に厚い胸、四肢はすらりと伸び、バランスの良いプロポーションをしています。解剖学上完璧な体躯構成をしているといわれていて、最も美しい犬種のひとつともいわれています。
耳は根元から4分の3くらいのところで自然に折れた特徴的な形をしています。

スムース・コリーは、内向的な一面がありますが、家族には陽気で友好的です。

シャイなものの攻撃性はなく、番犬としての適性はありません。似た犬種のラフ・コリーの良いところを受け継ぎ、よりおおらかだといわれることもあります。
もともと牧羊犬だったこともあり、優れた判断能力や行動力があります。

犬を飼い始めるとき、飼い続ける際にかかる一般的な費用について説明します。

タイミング	内訳	費用の目安
迎えるとき	ペットショップ、ブリーダー	※ブリーダーによる
飼い始めるとき	畜犬登録料	約3,000円
	生活用品（クレートやケージなど）	約5～7万円
1年に1回かかる費用	狂犬病予防接種費	約3,500円
	混合ワクチン接種費	約5,000～10,000円
毎月かかる費用	消耗品（フードやおやつなど）	約5,000～10,000円

飼い始める際にかかる費用

スムース・コリーは、ペットショップでの販売は珍しく、専門のブリーダーや輸入、里親制度が主な入手方法です。

ブリーダーから購入する際は時価となり価格は変動することがあります。また、常に子犬が産まれているとは限らないため、スムース・コリーのブリーダーにあらかじめ相談したり、問い合わせたりしておくと良いでしょう。

他にも愛犬を迎えるには友人や知人から譲り受ける、譲渡会に参加する、保護犬を迎え入れるといった方法もあります。また、スムース・コリーは自治体によって飼育に規制がある場合もあるため、事前に確認しましょう。

犬を飼い始めるときには飼い始めてから30日以内に（子犬の場合は生後91日を経過してから30日以内に）お住いの自治体に犬の登録（登録料は3,000円程度）を行うほか、混合ワクチン接種費や狂犬病予防接種費も必要になります。

母犬の初乳から得た免疫は徐々に低下していくため、混合ワクチンを子犬期に計3回接種してさまざまな感染症を防ぐ必要があります。

子犬を迎える際の月齢によっては、ペットショップ側でワクチンを3回打っているため、生体代と一緒にワクチン代も支払います。3回すべて打っていない場合は、飼い主が動物病院に連れて行って接種させましょう。

狂犬病予防接種は生後91日を過ぎたすべての犬が年に1回接種するよう法律で定められており、子犬の場合は混合ワクチンの接種を終えて2週間過ぎたタイミング（およそ生後110日前後）で打たせます。

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飼い続けるために必要な費用

犬を養育するうえでの生涯コストは、ドッグフードやペットシーツ、留守番時のエアコン代、一般医療費、トリミング代、レジャー費など200～300万円といわれています。

体の大きい犬種だとグッズ代やトリミング代などが高額になるなど犬種によって大きく異なるため、目安としてスムース・コリーの場合は平均より高額になると考えておきましょう。

なかには僧帽弁閉鎖不全症など手術費が100万円以上になる病気にかかる場合や、アレルギーなどによって継続的な通院や投薬の費用がかかることもあります。犬を迎えるにあたっては、計画的な貯金やペット保険の利用なども検討し、予期せぬ出費にも対応できるかよく検討しておきましょう。

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犬を迎える際に必要な生活用品としては、クレートやケージ、サークルをはじめ、首輪やリード、食器、給水器、ドッグフード、トイレなどが挙げられます。

また犬が遊べるようおもちゃも用意するとよいでしょう。スムース・コリーは多くの運動を必要とするため、自由に走り回れるドッグランや一緒に遊べるドッグパークが近くにあると理想的です。

犬の生体代を除く初期費用としては、一般的には5～7万円程度ですが、スムース・コリーは体が大きくなるため、クレートやケージ、サークル費用は平均より高くなる傾向にあります。

毎月の消耗品としては、ドッグフードやおやつ、トイレシーツ、歯ブラシやボディシートなどが挙げられます。一般的に毎月の平均額は5,000円～10,000円ほどですが、スムース・コリーは体が大きいので食事量は多く、トイレシーツも大型タイプを選ぶ必要があるので平均よりかかると見込みましょう。

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2022年6月から、ペットショップやブリーダーで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。マイクロチップは思わぬ事故や災害で迷子になってしまったときに、保護された犬を飼い主のもとへ返すための重要な役目を果たします。

装着費用は3,000～5,000円程度で、さらに飼い主の氏名や住所、電話番号などの情報登録料としてかかります。登録はオンライン申請で300円、郵送する場合は1,000円です。

ドアを開けた際に外へ飛び出したり、散歩中大きな音に驚いて逃げてしまったりなど、飼い主の不注意やアクシデントで犬は迷子になってしまう可能性があります。そのため、スムース・コリーを迎える際は迷子対策もしっかり講じましょう。

迷子対策としてはマイクロチップの装着のほかに、迷子札などの導入が挙げられます。

迷子札は、飼い主の連絡先を記載したキーホルダーで犬の首輪に装着します。値段は1,000～5,000円程度で、素材やデザインによって異なります。

そのほか、家からの飛び出しを防ぐために玄関にゲートを設置するといった対策をとるのもおすすめです。

スムース・コリーは、学習能力に長けていて飲みこみが早いため、トレーニングは得意です。
牧羊犬のルーツをもつことから吠えやすいケースがあるため、子犬の頃から吠えても止めさせることができるようにしましょう。

また身体が大きく育つ犬種なので、飛びつき癖や噛み癖があると将来的に事故につながる恐れがあります。適切なトレーニングをしっかり行って、犬が興奮してもコントロールできるようにしておくことが重要です。

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✓散歩：30分程度を1日2回
✓運動量：多め
✓おすすめの遊び：アジリティなどのドッグスポーツ

スムース・コリーは、牧羊犬の祖先を持つため必要な運動量は多めです。
たまにはドッグランなど広い場所を思い切り走らせてあげることも必要です。運動不足はストレスになるので、十分に運動をさせましょう。
また学習能力と運動能力に長けた犬種なので、飼い主と一緒に楽しむアジリティなどのドッグスポーツは良い運動とコミュニケーションになるでしょう。

✓十分な運動をさせてあげられる環境
スムース・コリーは牧羊犬の先祖を持つだけあってスタミナが豊富です。一緒に運動を楽しめる体力と時間のある人に向いています。

✓大型犬のしつけをきちんとできる人
頭が良いので、「あの時は注意されなかった」などの例外があるということを聞かなくなってしまうようなことがあります。毅然とした態度と一貫したルールで接するようにしましょう。また体が大きい犬種なので、飛びつき癖や引っ張り癖などがつかないように、特に注意しましょう。

✓大型犬のトレーニングをできる人
スムース・コリーは体が大きい犬種なので、ちょっとしたことが事故につながることがあります。飛びつき癖や引っ張り癖などがつかないように、しっかりと犬の興奮をコントロールできるように訓練できなくてはいけません。また、頭がよく飼い主の甘さを見透かして、犬の立場が上になってしまうようなことがあります。毅然とした態度で接するようにしましょう。

スムース・コリーがかかりやすい代表的な病気と対策方法を知っておきましょう。

✓コリー眼異常（コリーアイ）
コリー種に見られる遺伝性の疾患です。眼球後部の内側を覆う網膜や脈絡膜などに異常が現れ、重度の場合は失明することがあります。治療法は現在のところなく症状にあわせての対処療法で対処します。親犬の遺伝子検査で子犬が産まれる前にチェックでき、親犬両方がキャリアであっても子供が必ずしもキャリアになるわけではありません。

✓進行性網膜萎縮症
網膜に異常が起きて視力が低下し、最終的には失明することが多い、遺伝性の疾患です。治療法は現在のところなく、補助的治療で発症を遅らせたり、網膜の変性を抑えたりする目的で点眼薬やビタミン剤の投与が行われることもあります。夕方、夜間に動くものに反応しない、鈍い、においを嗅ぎながら歩くといった行動が見られたら動物病院に行きましょう。

✓下痢
スムース・コリーはやや繊細で神経質な性質があるため、ストレスが原因の下痢になることがあります。部屋の配置を変えたなどの環境の変化や、留守番が続いたなど、生活環境の変化がないかストレスの原因をとりのぞくとともに、下痢が続く場合は獣医師に相談しましょう。

かかりやすい病気や予防法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
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✓ブラッシング：週に２回程度
✓シャンプー：１カ月に１回程度
✓トリミング：不要

全身を覆うコートは抜け毛が多く、特に春と秋は換毛期のため抜け毛が増えます。スムースコートで毛は密生して短いですが、上毛と下毛の二重構造になっているダブルコートのため定期的なブラッシングが必要です。

ブラッシング以外にもスキンシップの時間も兼ねて、表面からは分かりづらい皮膚の状態をチェックしたり、日々触れ合う時間を作ったりすることで、愛犬との信頼関係も高まります。

歯みがきは毎日～2日に1回、耳掃除や爪切りは２週～１カ月に１回の頻度で行います。
また足裏の肉球間の毛が伸びると、フローリング床で滑りやすくなるためカットしてください。

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✓事故予防にトレーニングはしっかりと！
スムース・コリーは大型犬のため、ちょっとしたことが事故につながってしまうことも考えておきましょう。頑丈なケージを用意したり、入ってほしくない場所には入れないように仕切りを設置したりするなどして事故を予防します。トレーニングは子犬の頃からしっかり行いましょう。

✓飼育スペースは十分な広さを確保！飼育費も準備して
スムース・コリーを含む超大型犬は、トイレも寝る場所も大きな体の分広さが必要になります。犬がゆっくりとくつろげる大きさのケージが必要です。さらに、食費やペットシーツ代などの消耗品や、医療費、ペットホテル費なども、小型犬、中型犬より高額になります。住居スペースや金銭的な負荷を考慮したうえで迎え入れるようにしましょう。