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日本では、"犬と猫の飼育頭数"が"15歳未満の子供の数"を圧倒的に上回っていることを知ってしましたか?犬や猫と一緒に暮らすのはごく普通のこと、しかもオーナーにとっては単なる”ペット”ではなく”ファミリー”という意識が当たり前になっているかと思います。
一方で、一緒に暮らすためのお家作りをできている方は多くないのではないでしょうか?この記事では、わんちゃんとの快適な住環境作りやそのためのリフォームのヒントについて学んでいきたいと思います。
目次
- 愛犬と生活するためのお家作りを学ぶ
- 夫婦と愛犬が暮らす家のリフォームに挑戦
- 愛犬の生活空間を定義してあげよう
愛犬と生活するためのお家作りを学ぶ
今回、わんちゃんとの"快適な住環境"を学ぶべく訪れたのは、東京・田端にある中央動物専門学校です。この学校には「動物共生研究科/総合科」というコースがあり、生徒たちが動物との共生について学んでいます。
お邪魔したのは『建築住環境実習』の授業。人間と動物の共生住宅の専門家である、建築家の廣瀬慶二先生が講師を勤めます。 教室に入ると10数名の生徒さんが、わんちゃんとオーナーが快適に暮らすためのお家づくりについて、自らのプランを発表していました。
夫婦と愛犬が暮らす家のリフォームに挑戦
授業は、お題に対して生徒さんがリフォームプランを考え、先生が講評を加えるスタイルで進みます。今回のお題は、『60代の夫婦が住む木造住宅の1階を共生住宅にするためのリフォームプラン』です。
床材をわんちゃんが滑らないものに変えたり、マットを敷くという事を実践している方は多いと思いますが、いざリフォームとなるとなかなか難しいですね!
このお家に住むのは、子ども達が家から巣立ち、夫婦だけの生活が始まろうとしている60代の夫婦。今後の人生の伴侶としてわんちゃんを飼い始め、わんちゃんと自分たち双方が住みやすい環境をリフォームで実現したいと考えています。
皆さんならどんなポイントを注意してリフォームを進めますか?
愛犬の生活空間を定義してあげよう
先生のからのヒントとして、
①わんちゃんの生活空間を定義してあげる
②オーナーにとって掃除や手入れのしやすい設計にする
といったポイントが示されていました。
例えば、行動範囲を制限することには、2つの側面があります。
・オーナーの目の届く範囲に犬を置いておくことでの安全確保
・特定の場所に近づけないことでの危険回避
確かに、見えないことろでの悪さや粗相、キッチンでの拾い食いなどは、どのオーナーも避けたいと考えるところですよね。
また、犬の問題行動のきっかけとなる刺激を少なくするという効果もあります。例えば、玄関スペースに自由に行き来できることが、来客時の無駄吠えのきっかけを作っているかもしれません。そういった意味で、上手な行動制限はわんちゃんにとっての快適な暮らしにも欠かせないものなのです。
後編では、実際に生徒さんが考えたリフォームプランを見ながら、より深く考えていきましょう。
今回の訪問先:
中央動物専門学校 母体である中央校学校は、測量科や土木科などの建築を学ぶ学校として明治42年に創立。「動物と共生する社会をリードしていく人材を育てたい」という校長の坂本敏先生の想いから、2003年に中央動物専門学校が開校しました。今回お邪魔した動物共生研究科では、動物共生環境コーディネーターや動物看護師、福祉住環境コーディネーターの資格取得に加え、介護職員初任者研修も終えられるので、学生が卒業後に進む道は多様です。実際に卒業生は、動物病院、ペットショップ、ペットサロン、不動産会社、リフォーム会社などさまざまな分野活躍しているそうです。