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ペット栄養管理士。愛犬のパピヨン2匹と暮らしながら、「犬おやつのオンラインレシピブック」の運営、犬の雑誌やウェブサイトでのレシピ制作を中心に活動中。
犬の手作りごはんレシピの開発・発信を行う、「犬ごはん先生」こと、いちかわあやこさんに愛犬・ばにらちゃん、びすけくんとのくらしについて伺いました。
目次
- 犬の手作りごはんレシピを開発する、いちかわあやこさん
- 「犬ごはん先生」とは? 簡単で映える犬用レシピを1000種類以上発信
- 食いしん坊な愛犬! 食べムラ・食欲不振に悩んだ過去も…
- 「犬のごはんって作れるんだ!」初めてのトッピングに感激
- 愛犬のために苦手な料理を克服し、食を通した健康管理を学ぶ
- 社会における「犬の手作りごはん」の在り方にも変化
- 愛犬が最優先。暮らしや発信内容も「シニア向け特化」に
- 手作りごはんは一つの選択肢。まずは飼い主が笑顔でいること
- 愛犬が人生を変えた。レシピ開発に欠かせない絶対的な味方
犬の手作りごはんレシピを開発する、いちかわあやこさん
毎日必ずやってくる、愛犬のごはんタイム。健康に長生きしてほしいと願う愛犬家の皆さんほど、食事について一度は悩んだ経験があるのではないでしょうか。
「ドッグフードっておいしいのかな?」
「愛犬の身体にいい食事ってなんだろう?」
愛犬を迎え、愛犬のことを考えるうちに、ワンちゃん用手作りごはんのプロになった愛犬家がいます。
パピヨンのばにらちゃん、びすけくんと暮らす、いちかわあやこさんです。
「愛犬にとっていいことって正解もないし、考え出したらキリがありません。でも、私自身すごく凝り性な性格で……自分を納得させるためにも、極めたい! と思い、自分で勉強することにしました」
その後、ペットや人間の栄養学、撮影やテーブルスタイリングの知識も習得。
現在では、飼い主さんに向け、「犬ごはん先生」として犬の手作りごはんレシピの開発・発信を行っています。
SNSやメディアに掲載されるオリジナルレシピは、簡単に準備ができる初心者向けなものが多く、思わず写真に撮りたくなるフォトジェニックな見た目が特徴的です。
「私は料理がもともと得意ではなくて。普段の自炊ですらあまり気が進まないタイプ。実は、野菜も好きではないので、食生活はインスタント食品ばかりの時期も……」
料理に苦手意識があったいちかわさんが「犬ごはん先生」への転身を決めたきっかけとは?シニアになった愛犬たちとの最近のくらしや、手作りごはんに対する考えなどを伺いました。
「犬ごはん先生」とは? 簡単で映える犬用レシピを1000種類以上発信
いちかわさんの活動は、犬の手作りごはんとおやつのレシピ制作、会員制のレシピサービスやレシピブックの提供、企業の商品を使ったアレンジレシピ制作など、多岐にわたります。
メディアに掲載されたレシピは、1000種類以上。レシピの企画から編集、撮影まで、すべていちかわさんがたった一人で担っているのだそう。
「やはり犬用のレシピを考えるのって、結構難しいです。もちろん犬のことを考えて、犬にNGな食材は使いませんし、調味料も一切使っていません。ただ、そうすると成立しないメニューも多いんですよね」
いちかわさんがレシピを作るうえで意識しているのは、「簡単さ」と「見栄え」。自身が料理があまり好きでなかった背景もあり、何より手軽に作れることを重視しています。
「私が面倒くさがりだし、ごはんは毎日2〜3回あるから、少しでもパパッと手軽に済ませたいっていう気持ちが強いんです」
そして、見た目が飼い主さんの心を躍らせるかもレシピ成立の大きな判断基準だといいます。
「正直、ワンちゃんは食事の見た目とか気にしないですよね(笑)でも、飼い主さんの『これをうちの子に作りたい!』っていう気持ちも大切だと思うんです。飼い主さんが楽しんでいれば、続けられるし、ワンちゃんも嬉しい気持ちになる。そのために、料理のビジュアルにはこだわっています」
一方、SNSでの見せ方には細心の注意を払っているのだとか。「“映え”はいいけど、“バズ”ではない」と話す、いちかわさん。
「流行している“バズりそう”な演出があったとしても、犬にとって負担になることはしないように心がけています。私にとって一過性のバズより、愛犬の健康と見てくださる方との信頼関係の方が大事なんです」
レシピ以外に、テーブルコーディネートまで提案するのも、料理の見栄えを意識するいちかわさんならでは。
「私のレシピを試してくださる方は、スタイリングごと再現してくださる方が多いんです。なので、スタイリングをそのまま真似しても危なくならないよう、キャンドルなど犬に触れたり口に入れたら危ないものやフォーク・ナイフなど鋭利なカトラリーは添えないようにしています」
食いしん坊な愛犬! 食べムラ・食欲不振に悩んだ過去も…
「活動を通して『愛犬と飼い主さんの心と身体が喜ぶ食生活』を提案したい」
そう話すいちかわさんのSNSでは、手作りごはん(おやつ)を美味しそうに“爆食”する愛犬のばにらちゃんとびすけくんの姿が見られます。
「愛犬の食いつきや食べムラで悩んでいる方も多いと思うんです。私も2頭目に迎えたびすけの食べムラや食欲不振を見てショックだったのを今でも覚えています。当時は、『とにかく食べてほしい!』そう願っていました」
愛犬の食事について考えるようになってからは、食いつきに悩むことはなくなったといいます。
「レシピ制作の際には、愛犬たちに必ず協力してもらっています。毎回2匹とも参加させるのは負担になってしまうので“選抜制”にしているんですが、撮影を始めるとおいしそうな匂いにつられて飛んできます(笑)。この“爆食”を楽しみにしてくれているファンの方も多いんです」