更新 ( 公開)
獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬が体をかいていると「体が痒いのかな?」と心配になりますが、犬が体をかく原因はそれだけではありません。今回は、皮膚病などの病気以外に、犬が体をかく理由について解説します。体をかくしぐさからわかる犬の気持ちを知って、お世話に役立てましょう。
目次
- お手入れなどの苦手なことに直面したときに体をかく
- 誰もかまってあげられないときやトレーニング中に体をかく
- ほかの犬や人と出会ったときに体をかく
- 飼い主さんの前で体をかく
- 散歩中や何もないときに体をかく
お手入れなどの苦手なことに直面したときに体をかく
犬は苦手なことに直面すると、体をかいて落ち着こうとする習性があります。
もし、お手入れなどの苦手なことに直面して体をかいていたら、「嫌だな」と感じているのでしょう。ストレスを感じるとヒスタミンという物質が分泌されるため、実際に痒みの症状があらわれることもあるようです。
誰もかまってあげられないときやトレーニング中に体をかく
誰にも遊んでもらえず暇な時間を過ごしているときや、トレーニング中に体をかいていたら、「退屈だな」「飽きたな」と感じているのかもしれません。
退屈や飽きもストレスの一種です。犬が体をかきはじめたら、「ストレスから逃れたい」気持ちのあらわれなので、トレーニングなどを終了させてあげたほうが良さそうです。
ほかの犬や人と出会ったときに体をかく
ほかの犬や飼い主さん以外の人と出会ったときに犬が体をかいていたら、「注目しないで」と言っているのかもしれません。これも一種のストレス反応で、体をかくことに集中することで、「自分は攻撃しないから、こっちに注目しないで」と伝えているのでしょう。
犬がこのサインを発しているときは、無理にほかの犬と遊ばせたり、かまったりしないほうが良さそうです。
飼い主さんの前で体をかく
飼い主さんがいる前で体をかいていたら、飼い主さんの反応を学習している可能性が。以前に体をかいていたとき、飼い主さんが「どうしたの?」と声をかけてくれたことを覚えていて、「体をかけば、かまってもらえる」と思っているのかもしれません。
そうしたことから、飼い主さんにかまってほしくなると、つい体をかいてしまうのでしょう。
散歩中や何もないときに体をかく
散歩中や何もないときに体をかいていたら、異物がついているか、痒みの症状が出ているのかもしれません。体に違和感があり、「この違和感を取り除きたい!」という気持ちで体をかいているのでしょう。
たいていは小さなホコリや虫などの異物がついているだけですが、頻繁にかく場合はその部位に皮膚炎があったり、ダニなどが付着していたりする可能性もあるので、獣医師に相談しましょう。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。