トイプードルの「なっとう」、柴犬の「ねぎ」、チワワの「こんぶ」、元野犬の「カイダーオ」「みそ」と暮らす。収入のほとんどをわんちゃんに貢いでいる。

散歩中、愛犬がおしっこをしたら、さっとペットボトルの水を取り出してかける。
飼い主なら誰もが実践しているかと思います。私自身、愛犬と暮らし始めてからずっと、「これがマナー、適切な後始末」だと信じて疑いませんでした。
でも、もしその行動が、実は十分な対策になっていなかったとしたら…?

最近では自治体が「おしっこは水をかけるだけではにおいが残り、かえって広がってしまう」と呼びかけたり、「散歩=トイレではない」という啓発を進めたりと、散歩マナーを見直す動きが広がっています。
もしかしたら私たちの「常識」は、少し古いものになっているのかもしれません。
この記事では、動物行動学の専門家・茂木先生に最新の散歩マナーを教えていただきました。
目次
- 衝撃の事実! 「水かけだけ」で消えないニオイと汚れの正体
- 獣医師直伝!今日からできる犬のおしっこ「あとしまつ新習慣」実践ガイド
- アスファルト?土?場所別の後始末ワンポイントアドバイス
- 散歩の必需品!茂木先生おすすめの持ち物リスト
- コスパ重視派に!手作り「クエン酸マナー水」のすすめ
- 「ダメ!」はもう卒業。マーキングを防ぐ叱らないコミュニケーション術
- 究極のゴールはおうちトイレ?無理なく身につける方法とは
- 茂木先生直伝!「おうちトイレ」切り替え術
- その行動、病気のサインかも? 飼い主だから気づける愛犬の変化
- 【最後に】「水かけだけ」の私から、卒業します
衝撃の事実! 「水かけだけ」で消えないニオイと汚れの正体

実は『ペットボトルの水をかける』方法は後始末としては不十分です。主な理由は3つあります
①ニオイの元凶は「水に溶けにくい成分」
わんちゃんのおしっこには、アンモニアの元となる尿素だけでなく、『尿酸』という水に溶けにくい結晶成分が含まれています 。この尿酸が乾燥して地面に残ると、白っぽい結晶になり、これがしつこいニオイの元になります
②少量の水はニオイを「広げて」しまう
ペットボトルでかける程度の水量では、これらの成分を洗い流すことはできません 。むしろ、ニオイの元を薄めながら広範囲に広げてしまうことになり、乾いた後、より広い範囲からニオイが立ち上るという悪循環に陥ることもあるのです
③わんちゃんのマーキングを誘発!「ニオイの伝言板」が残る
人間にはもう分からないほどのニオイでも、わんちゃんの鋭い嗅覚は決して見逃しません。地面に残されたそのニオイは、他のわんちゃんが『ここに来たよ!』というサイン。さながらニオイの伝言板となり、マーキングの『上書きの連鎖』を次々と引き起こしてしまうのです
獣医師直伝!今日からできる犬のおしっこ「あとしまつ新習慣」実践ガイド
では、ニオイの連鎖を断ち切るには、一体どうすれば良いのでしょうか。
後始末で最も大切なのは、流す前にまず吸い取ることです。おしっこの成分そのものを物理的に取り除いてしまえば、ニオイの元は残りません 。まずはトイレシートでおしっこを吸い取って原因物質を除去し、次に分解、最後に洗い流す※。この3ステップが基本です

アスファルト?土?場所別の後始末ワンポイントアドバイス

基本は同じですが、場所の特性に合わせて少し対応を変えると、より完璧な後始末ができます。
まず、アスファルトやコンクリートのような硬い地面では、先ほどお伝えした基本の3ステップが最も効果的です 。
一方で注意したいのが土や芝生の上です。『自然に分解されるからそのままで良い』というのは、実は間違いなんですよ。おしっこが濃いまま残ると、植物を傷めたり、ニオイの原因になったりします 。ここでは無理に吸い取ろうとせず、たっぷりの水でしっかり薄めてあげることを優先してください
散歩の必需品!茂木先生おすすめの持ち物リスト
この「あとしまつ新習慣」を完璧に実践するためには、しっかりとした準備が欠かせません。ここからは茂木先生に伺った「理想の散歩セット」をリストアップしてご紹介します。
1. 消臭袋
お散歩の必需品といえば、消臭袋。私が愛用しているのは、コスパ抜群な「ペット用 消臭袋 SSサイズ 200枚入」。
消臭成分がニオイをしっかり閉じ込め、中身が見えにくい乳白色タイプなので、処理後もスマートに持ち歩けます。散歩中のうんちはもちろん、使用済みのおしっこシートを片付けるのにも大活躍します。
2. 吸水用のペーパー・ペットシーツ
カインズ 業務用 ペットシーツ レギュラー 200枚 犬用 超薄型 こまめに交換用 ペットシート
おしっこを物理的に吸い取り、ニオイの元を除去するために使います。私のおすすめは、カインズ業務用のペットシーツ レギュラー。超薄型なので持ち運びはもちろん、外での取り回しも楽々。
3. マナー水

おしっこを吸い取った後の「仕上げ」に欠かせないのが、このマナー水です。ペットシーツだけでは取り除けないニオイの元を中和・分解し、後始末を完璧にするためのキーアイテム。
市販されている酵素系の消臭スプレーのほか、家庭で簡単に作れる「クエン酸マナー水」も効果的です。コスパ重視なら自分で作るのもおすすめ!作り方は後ほどご紹介します。
4. ティッシュ・ウェットティッシュ

後始末の際に自分の手が汚れたり、何かと便利なアイテム。特に、ペット用のウェットティッシュを一つ持っておくと、さらに安心です。
カインズの「ペット用ウェットティッシュ」は、モモ葉エキスが配合されたノンアルコール・無香料タイプ。ふんわり柔らかな不織布で、汚れをしっかり拭き取れます。
後始-末だけでなく、愛犬の手足やおしりが汚れてしまった時にもさっと使えるので、一枚あるとあらゆる場面で重宝します。
コスパ重視派に!手作り「クエン酸マナー水」のすすめ

カインズ 食品にも使用できるクエン酸 詰替 500g
消臭スプレーですが、「毎回買うのは少し大変かも…」と感じる方もいるかもしれません。そんな方におすすめなのがクエン酸マナー水です。
なぜクエン酸が効くの?
わんちゃんのおしっこのニオイの主成分であるアンモニアは「アルカリ性」です。一方、クエン酸は「酸性」。アルカリ性のアンモニアを酸性のクエン酸が中和することで、ニオイを元から抑える効果が期待できるのです。
【簡単】クエン酸マナー水の作り方

作り方は驚くほど簡単。ご家庭にあるもので、すぐに準備できます。
<用意するもの>
- 水:500ml
- クエン酸:大さじ1~2杯
- 500mlの空のペットボトル
<作り方>
ペットボトルに水とクエン酸を入れ、クエン酸が完全に溶けるまでよく振れば完成です。
早速散歩で実践してみた!

早速、私は先生に教わった「理想のセット」を散歩バッグに詰め、いつもの道へ向かいました。今回はカインズのマナーデザインウェアも使ってみます。
初めてのマナーデザインウェアをつけられたトイプードルのなっとうは虚無感を漂わせていますが、チワワのこんぶはお散歩にウキウキ。

そして散歩から5分。こんぶが早々におしっこ! 早速教わった方法を試していきます。

まずはおしっこをペットシーツで吸い取り、マナー水で流す。
やってみて感じたのは、「手間は増えますが、想像以上に気持ちが晴れやか」ということ。心のどこかで感じていた「水をかけるだけでは不十分かも…」という罪悪感から解放され、とても清々しい気持ちになりました。

この「街を汚していない」という気持ちよさがクセになり、最近ではうんちをキャッチするために事前にシートを滑り込ませる…なんていう荒業にも挑戦中です。やりすぎでしょうか?(笑)
【簡単すぎる…!】「手作りうんちキャッチャー」で愛犬とのお散歩エチケットを◎に!身近なアイテムを使った1分ライフハック♪
「ダメ!」はもう卒業。マーキングを防ぐ叱らないコミュニケーション術

今までおしっこ(マーキング)をしてほしくない場所でしようとしたときは、「ダメ!」とリードを強く引いてしまっていました。しかし、こうやって叱る行為はあまり良くないと茂木先生はいいます。
つい『ダメ!』と強く叱ってしまいがちですが、実はご褒美をあげる方がずっと効果的なんです。行動学でも、望ましい行動を先に教えて褒めるトレーニングが推奨されています。『こっちがいいね!』とポジティブに伝える方が、わんちゃんにも飼い主さんにも、ストレスがなくておすすめです
予兆を察知して、先回りする
わんちゃんがマーキングをする前には、必ず予兆があります。『地面のニオイを熱心に嗅ぐ』『同じ場所をクルクル回る』といったサインを見つけたら、それが介入のベストタイミング。わんちゃんが行動を起こす前に、飼い主が先に行動しましょう
楽しい合図で気を引く

予兆を察知したら、『ダメ!』と叱る代わりに、明るい声で名前を呼んだり、舌を鳴らしたりして注意を引きましょう。そして、わんちゃんが『ん?』とこちらに意識を向けた、その瞬間を逃さずに『いい子!』と褒めておやつをあげます。こうすることで、『飼い主さんに注目すると良いことがある』と憶えてくれるんです
ただこのテクニック、「おやつをいかにスムーズに取り出せるか」が成功の鍵になります。愛犬を褒めて直前の行動を頻繁に引き出すためには、行動の直後が一番効果的。多少遅れてしまってもあげないよりあげるほうが定着しやすくなります。
おやつが遅れても褒められたと気づけるように、在宅時に褒めつつおやつを与える練習をしておくと良いですよ。褒め声を聞くだけでおやつを連想して喜ぶようになります。

そんな私の悩みを解決してくれたのが「クリップ付きトリーツポーチ」でした。
これならお散歩のおやつをスマートに携帯でき、マグネット式で片手でさっと開閉できるので、愛犬の注意を引けたその瞬間を逃しません。ベルトやポケットに引っ掛けるだけで、手ぶらで身軽にお散歩できます。
マーキングスポットは「Uターン」で物理的に離れる
ニオイへの執着が強く、声かけだけでは難しい場合もあります。その時は、叱ってその場に留まらせるのではなく、『こっち行こう!』と明るく声をかけ、くるっとUターンして来た道を戻りましょう。わんちゃんを物理的に誘惑から引き離すのです。わんちゃんが向きを変えてついてきたら、すかさず褒めてあげます
ここまで、散歩中にマーキングをさせないための具体的なテクニックを見てきました。しかし、こうした対処法とあわせて、そもそも「散歩=トイレの場所」という愛犬の意識を変えていくことができれば、飼い主さんの悩みはもっと根本的に解決するかもしれません。
究極のゴールはおうちトイレ?無理なく身につける方法とは

<我が家の愛犬>
| 名前 | 犬種 | トイレの癖 |
| なっとう | トイプードル | マーキング癖あり。言われればどこでもトイレシートにする。 |
| こんぶ | チワワ | トイレを失敗しがちで、どこでもしてしまう傾向がある。 |
| ねぎ | 柴犬 | 以前は屋外でしか排泄しなかったが、現在は家の中でもシートにできる。 |
| 蓮根(はすね) | ハスキー | 家の中でしか排泄しない。時々トイレシートからはみ出すことがある。 |
我が家には4頭の愛犬がいるのですが、そのうちの1頭は、昔から絶対に自宅のトイレシートでしか排泄をしません。
飼い主の都合で申し訳ないのですが、悪天候の日も慌てずに済み、これが本当に助かっています。
「この快適さを、他の3頭にも広げることはできないだろうか?」 そんな期待を胸に、今からでもトイレトレーニングは間に合うのか私は改めて先生に相談してみることにしました。
大丈夫ですよ。どんな子にも、必ず排泄したくなるタイミングがあります。そのサインを見つけ、成功体験を積ませてあげるのが飼い主さんの役割です。そしておうちトイレはわんちゃんの健康を守るためにも役立つんです

茂木先生直伝!「おうちトイレ」切り替え術
「難しく考えなくていいんです」と先生は言い、成功の秘訣を3つ教えてくれました。
環境を整える

まずは愛犬が安心して排泄できるトイレ環境を室内(あるいは庭)に作ります。静かで落ち着ける場所に、少し広めにトイレシーツを敷き詰めるのがおすすめです。愛犬は「どんな素材の上でおしっこしたか」を覚えやすいため、トイレシーツや人工芝など、素材を一貫させることが大切です。
タイミングを予測する
愛犬が排泄しやすい「ゴールデンタイム」を狙いましょう。具体的には「朝起きた直後」「食後」「遊んだ後」「興奮した後」などです。このタイミングに合わせて、トイレの場所へ優しく誘導してあげてください。
成功したら、間髪入れずに褒める
もしトイレで成功したら、その瞬間に思いっきり褒めてあげましょう。「すごい!」「上手!」と声をかけ、特別なおやつをあげます。目的は、「ここでトイレをすると良いことがある」と愛犬に覚えてもらうことです。タイミングがずれると何を褒められたのか分かりません。成功した直後、数秒以内にご褒美をあげるのがポイントです。
その行動、病気のサインかも? 飼い主だから気づける愛犬の変化
ここまで後始末やしつけについて見てきました。しかし茂木先生は、これらの行動を観察することが、もう一つ非常に大切な役割を持っていると強調します。
おしっこは、飼い主さんが毎日チェックできるわんちゃんの健康のバロメーターです 。もし急に、色やニオイが変化したり血尿などが見られるようになったら注意が必要です。下部尿路疾患(膀胱炎や結石など)のサインかもしれません 。こうした変化に気づくためには、やはりシートの上でおしっこしてもらうことがベストなんです
アスファルトや土の上では見過ごしがちなわずかな色の変化も、シートの上でならはっきりと確認できます。気になることがあれば、まずは動物病院へ連れて行き相談しましょう。

【最後に】「水かけだけ」の私から、卒業します

取材を終えて、これまでの自分の散歩マナーが、いかに表面的なものだったかを痛感しました。大切なのは、おしっこを「吸い取る」一手間と、愛犬を「褒めて導く」一工夫。
この2つを意識するだけで、愛犬も、地域の人も、そして何より私たち飼い主自身も、もっと気持ちよく過ごせるようになります。
まずは次の散歩で、いつもの持ち物にトイレシートを数枚加えてみませんか? その小さな一歩が、きっと大きな変化の始まりになるはずです。
※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合があります。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。
※Hashemi, Shervin, and Mooyoung Han. "Control of urine odor in different sanitation practices and its implication on water saving." Journal of Water, Sanitation and Hygiene for Development 7.1 (2017):156-162.https://doi.org/10.2166/washdev.2017.094















