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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
近年は犬の室内飼いが増えてきて、飼い主さんが愛犬の目の異常に気がつきやすくなっているようです。病気を早期発見・予防するためには、症状や原因、かかりやすい犬種などを知っておくことが大切でしょう。犬の目の病気3つと予防のコツをご紹介します。
目次
- 失明の可能性もある「緑内障」には要注意
- 「白内障」は徐々に視力が落ちる病気
- 若い犬に多い? 赤い粘膜が飛び出る「チェリーアイ」
- 目の病気の予防、早期発見のコツは?
失明の可能性もある「緑内障」には要注意
「緑内障(りょくないしょう)」とは、目の内側から外側に強い圧力がかかり、激しい痛みを伴う病気のこと。発症から短時間で失明するおそれもあるため、早急に治療する必要があります。
緑内障になると、痛みのために目を開けにくそうにしていたり、元気がなくなり震えたり、食欲が落ちたりといった症状が見られます。白目の部分が真っ赤になることもあるでしょう。
かかりやすい犬種は柴、ビーグル、シー・ズー、マルチーズなどです。
「白内障」は徐々に視力が落ちる病気
「白内障(はくないしょう)」は、目の中の水晶体(レンズ)が白濁し、徐々に視力が落ちていく病気です。
犬が目をショボショボさせたり、白目が赤みを帯びたりしている場合は要注意。写真を撮ったときに片目だけ光り、もう片方は光らないといったサインも見られます。
かかりやすいのはアメリカン・コッカー・スパニエルや、柴、トイ・プードル、シー・ズーなど。6歳齢以下で発症する場合もあります。
若い犬に多い? 赤い粘膜が飛び出る「チェリーアイ」
「チェリーアイ」は、涙をつくる働きがある瞬膜腺(しゅんまくせん)が目の外に飛び出す病気で、若い犬に多く見られます。
赤い粘膜が目頭に飛び出すため発見しやすいですが、片方の目が発症すると、もう片方にも起きる可能性が。発症した場合は、瞬膜腺を元に戻す手術をして治療を行います。
なりやすい犬種は、コッカー・スパニエル、ブルドッグやビーグルなどです。
目の病気の予防、早期発見のコツは?
犬の目の病気を早期発見するには、愛犬の様子をなんとなく見るのではなく、目の様子や行動を意識して見るといいでしょう。また、定期健診のときには目の検査も行い、予防に努めましょう。
目の病気の中には、失明のおそれがあり一刻を争うものもあるため、はやめの行動が肝心です。
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