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ヤマザキ動物看護大学准教授、愛玩動物看護師、ペットグルーミングスペシャリスト。教育気・研究の現場だけでなく、数々のテレビ出演や、執筆活動など幅広く活躍。
真っ白で筋肉質な体が特徴のドゴ・アルヘンティーノですが、ドゴ・アルヘンティーノを初めて飼う場合に気になるのが、どんな性格をしていて飼いやすいかどうかではないでしょうか。そこで今回は、ヤマザキ動物看護大学准教授の福山貴昭先生に教えていただいた、ドゴ・アルヘンティーノの性格や特徴、かかりやすい病気やしつけのポイントなどについて解説していきます。
目次
- ドゴ・アルヘンティーノの歴史やルーツ、英語名は?
- ドゴ・アルヘンティーノのオスとメスの体高や体重は?
- ドゴ・アルヘンティーノの平均寿命は?
- ドゴ・アルヘンティーノの毛色や種類、被毛、外貌の特徴は?
- ドゴ・アルヘンティーノはどんな性格、習性?
- ドゴ・アルヘンティーノを迎える際にかかる費用は?
- ドゴ・アルヘンティーノのしつけと社会化トレーニングのポイント
- ドゴ・アルヘンティーノに必要な運動量や散歩の目安、おすすめの遊びは?
- ドゴ・アルヘンティーノを飼うのに向いている人は?
- ドゴ・アルヘンティーノがかかりやすい病気と予防法は?
- ドゴ・アルヘンティーノの日常のお手入れ
- ドゴ・アルヘンティーノとの生活で注意すべきことは?
ドゴ・アルヘンティーノの歴史やルーツ、英語名は?
犬種名 | ドゴ・アルヘンティーノ |
英語名 | Dogo Argentino |
原産国 | アルゼンチン |
分類 | 大型犬 |
グループ | 2G:使役犬 |
ドゴ・アルヘンティーノ【英語:Dogo Argentino】は、アルゼンチンが原産の大型犬です。
ジャパンケネルクラブの犬種分類では、番犬や警護、作業をする「2G:使役犬」に属します。
原産はアルゼンチン共和国の中央部コルドバ地方で、マスティフやブルドッグ、ブル・テリアによって作出され、闘犬として活躍していました。
後に数世代に渡って改良が行われると、飼い主に忠実で走力があり、勇敢、さらに優れた嗅覚を持つことなどから山岳地帯での猟に適した犬として、猪などを捕らえる狩猟犬として繁殖されるようになりました。
1969年には、3頭のドゴ・アルヘンティーノがドイツへ渡り、家庭犬としても人気になりました。
ドゴ・アルヘンティーノのオスとメスの体高や体重は?
体高:オスは62~68cm、メスは60~65cm
体重:オスは36~45kg、メスは33~43kg
ドゴ・アルヘンティーノは大型犬に分類されます。
ドゴ・アルヘンティーノの平均寿命は?
ドゴ・アルヘンティーノの平均寿命に関するデータはありませんが、『アニコム家庭どうぶつ白書2021』によると、大型犬の平均寿命は11.5歳となっています。
犬を迎える際は、最後の時までしっかり世話ができるかを考えておきましょう。
犬をみとる頃に自分は大体何歳になるか、犬の介護ができるか、自分の生活環境や経済状況などもあわせて考えなければなりません。
犬を迎えようと考えているシニアの方は保護犬などで成犬を迎えるケースも検討するほか、万が一自分が世話できなくなった場合を想定しておくことも重要です。犬の世話を頼めそうな人にあらかじめ相談して承諾を得てから迎えたり、老犬ホームといった預かり先を決めたりして急な環境の変化に備えておきましょう。
ドゴ・アルヘンティーノの毛色や種類、被毛、外貌の特徴は?
ジャパンケネルクラブでは、ドゴ・アルヘンティーノの毛色は完全なホワイトとしています。頭部に暗色の斑点がある場合もあります。
被毛は、短くて厚いスムースコートです。
筋肉、骨格ともに良く発達した闘犬らしい頑丈な体つきです。
頭部は頑丈であり、闘犬や猟犬としての経緯から邪魔にならないよう断耳して立たせるする習慣がありますが、本来は垂れ耳です。近年では動物愛護の観点から断耳は行われない傾向にあります。
ドゴ・アルヘンティーノはどんな性格、習性?
かつては闘犬として気性の激しさがあった犬種ですが、改良されて陽気で素直、落ち着いた友好的な性格になりました。
きちんとトレーニングをすれば、良い家庭犬になります。
大きな獲物を自らの力で捕える高い身体能力をもつ大型犬のため、攻撃性を示したときには破壊力が大きいです。
特に仲の悪いオス同士などでは激しい闘争心を見せることがあります。
ドゴ・アルヘンティーノを迎える際にかかる費用は?
犬を飼い始めるとき、飼い続ける際にかかる一般的な費用について説明します。
タイミング | 内訳 | 費用の目安 |
迎えるとき |
ペットショップ、ブリーダー |
※ブリーダーによる |
飼い始めるとき | 畜犬登録料 | 約3,000円 |
生活用品(クレートやケージなど) | 約5~7万円 | |
1年に1回かかる費用 | 狂犬病予防接種費 | 約3,500円 |
混合ワクチン接種費 | 約5,000~10,000円 | |
毎月かかる費用 | 消耗品(フードやおやつなど) | 約5,000~10,000円 |
飼い始める際にかかる費用
ドゴ・アルヘンティーノは、ペットショップでの販売は珍しく、専門のブリーダーや輸入が主な入手方法です。ブリーダーから購入する際は時価となり価格は変動することがあります。
また、常に子犬が産まれているとは限らないため、ドゴ・アルヘンティーノのブリーダーにあらかじめ相談したり、問い合わせたりしておくと良いでしょう。
他にも愛犬を迎えるには友人や知人から譲り受ける、譲渡会に参加する、保護犬を迎え入れるといった方法もあります。また、ドゴ・アルヘンティーノは自治体によって飼育に規制がある場合もあるため、事前に確認しましょう。
犬を飼い始めるときには飼い始めてから30日以内に(子犬の場合は生後91日を経過してから30日以内に)お住いの自治体に犬の登録(登録料は3,000円程度)を行うほか、混合ワクチン接種費や狂犬病予防接種費も必要になります。
母犬の初乳から得た免疫は徐々に低下していくため、混合ワクチンを子犬期に計3回接種してさまざまな感染症を防ぐ必要があります。
子犬を迎える際の月齢によっては、ペットショップ側でワクチンを3回打っているため、生体代と一緒にワクチン代も支払います。3回すべて打っていない場合は、飼い主が動物病院に連れて行って接種させましょう。
狂犬病予防接種は生後91日を過ぎたすべての犬が年に1回摂取するよう法律で定められており、子犬の場合は混合ワクチンの接種を終えて2週間過ぎたタイミング(およそ生後110日前後)で打たせます。
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飼い続けるために必要な費用
犬を養育するうえでの生涯コストは、ドッグフードやペットシーツ、留守番時のエアコン代、一般医療費、トリミング代、レジャー費など200~300万円といわれています。
体の大きい犬種だとグッズ代やトリミング代などが高額になるなど犬種によって大きく異なるため、目安としてドゴ・アルヘンティーノの場合は平均より高額になると考えておきましょう。
なかには僧帽弁閉鎖不全症など手術費が100万円以上になる病気にかかる場合や、アレルギーなどによって継続的な通院や投薬の費用がかかることもあります。犬を迎えるにあたっては、計画的な貯金やペット保険の利用なども検討し、予期せぬ出費にも対応できるかよく検討しておきましょう。
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犬を迎える際に必要な生活用品としては、クレートやケージ、サークルをはじめ、首輪やリード、食器、給水器、ドッグフード、トイレなどが挙げられます。
また犬が遊べるようおもちゃも用意するとよいでしょう。ドゴ・アルヘンティーノは多くの運動を必要とするため、ボール遊びなどをさせて思い切り走り回れるようにするのがおすすめです。
犬の生体代を除く初期費用としては、一般的には5~7万円程度ですが、ドゴ・アルヘンティーノは体が大きくなるため、クレートやケージ、サークル費用は平均より高くなる傾向にあります。
毎月の消耗品としては、ドッグフードやおやつ、トイレシーツ、歯ブラシやボディシートなどが挙げられます。一般的に毎月の平均額は5,000円~10,000円ほどですが、ドゴ・アルヘンティーノは体が大きいので食事量は多く、トイレシーツも大型タイプを選ぶ必要があるので平均よりかかると見込みましょう。
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2022年6月から、ペットショップやブリーダーで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。マイクロチップは思わぬ事故や災害で迷子になってしまった時に、保護された犬を飼い主のもとへ返すための重要な役目を果たします。
装着費用は3,000~5,000円程度で、さらに飼い主の氏名や住所、電話番号などの情報登録料としてかかります。登録はオンライン申請で300円、郵送する場合は1,000円です。
ドアを開けた際に外へ飛び出したり、散歩中大きな音に驚いて逃げてしまったりなど、飼い主の不注意やアクシデントで犬は迷子になってしまう可能性があります。そのため、ドゴ・アルヘンティーノを迎える際は迷子対策もしっかり講じましょう。
迷子対策としてはマイクロチップの装着のほかに、迷子札などの導入が挙げられます。
迷子札は、飼い主の連絡先を記載したキーホルダーで犬の首輪に装着します。値段は1,000~5,000円程度で、素材やデザインによって異なります。
そのほか、家からの飛び出しを防ぐために玄関にゲートを設置するといった対策をとるのもおすすめです。
ドゴ・アルヘンティーノのしつけと社会化トレーニングのポイント
ドゴ・アルデンティーノは仔犬のころから良き家庭犬となるよう飼い方とトレーニングに細心の注意を払いましょう。
まずは今後生きて行く上で会うであろう子供や自転車など様々なものにならす生活環境に仔犬を置くこと。そして、興奮による飛びつきや、引っ張りをしないようにトレーニングすることが具体的に必要になります。
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ドゴ・アルヘンティーノに必要な運動量や散歩の目安、おすすめの遊びは?
✓散歩:45分以上を1日2回
✓運動量:多い
✓おすすめの遊び:ボール遊び
大型犬なので多くの運動量を必要とします。運動不足は問題行動を引き起こす原因になることもあるため、充分な運動量を確保しましょう。広い場所でボールを投げて持ってこさせるような遊びがおすすめです。
ドゴ・アルヘンティーノを飼うのに向いている人は?
✓大型犬のトレーニングをできる人
ドゴ・アルヘンティーノは体が大きい犬種なので、ちょっとしたことが事故につながることがあります。しっかりと犬の興奮をコントロールできるように訓練できなくてはいけません。
✓充分な運動をさせてあげられる環境
ドゴ・アルヘンティーノは猟犬だったこともありパワフルでスタミナ豊富な犬種です。小走りを交えた散歩や、ボール遊びで走らせるなどして、毎日充分な運動をさせてあげられる人がよいでしょう。
✓力持ちで体力のある人
体重が40kg近くになる大きな体と力を制御できるくらい力持ちで、一緒に運動できる体力のある人が向いているでしょう。
ドゴ・アルヘンティーノがかかりやすい病気と予防法は?
ドゴ・アルヘンティーノがかかりやすい代表的な病気と対策方法を知っておきましょう。
✓胃捻転
体の大きな犬にリスクの多い病気です。胃がねじれてしまい、短時間で急激に全身状態が悪化する危険な病気です。緊急手術が必要になるケースもあります。原因となる早食い、ドカ食いをさせないようにしたり、食後の運動を控えたりするなどの予防策を意識しましょう。
✓股関節形成不全
体の大きな犬にリスクの多い病気です。成長過程で、股関節に異常が出て痛みや歩行障害が起こります。急激な肥満などが誘発することがあるので、体重管理を心がけましょう。
✓関節疾患
関節に過剰な負荷がかかるとトラブルを起こします。居室の床材を滑りにくいものにし、ソファやベッドへの上がり降りをさせないようにするなどの対策が有効です。また肥満も関節に負荷をかける要因となるので、体重管理に気を付けましょう。
ドゴ・アルヘンティーノの日常のお手入れ
✓ブラッシング:週1、2回程度
✓シャンプー:1カ月に1回程度
✓トリミング:不要
ドゴ・アルヘンティーノはシングルコートのため、被毛のお手入れにあまり手間はかかりません。獣毛ブラシでのブラッシングは、取り切れなかった抜け毛を取り除くだけでなく、皮膚のマッサージにもなり毛艶が良くなります。
ブラッシング以外にもスキンシップの時間も兼ねて、表面からは分かりづらい皮膚の状態をチェックしたり、日々触れ合う時間を作ったりすることで、愛犬との信頼関係も高まります。
トリミングは必要ありませんが、シャンプーは1カ月に1回程度、シャンプーするほどでなくても被毛の汚れが気になるときは濡れタオルで拭いてあげましょう。
歯みがきは毎日~2日に1回、耳掃除や爪切りは2週~1カ月に1回の頻度で行います。
また足裏の肉球間の毛が伸びると、フローリング床などで滑りやすくなるためカットしてください。
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ドゴ・アルヘンティーノとの生活で注意すべきことは?
✓事故予防にトレーニングはしっかりと!
ドゴ・アルヘンティーノは大型犬で力が強い犬種のため、頑丈なスペースで飼う必要があります。入ってほしくない場所には仕切りなどを設置して、事故を予防しましょう。力が強いので、ほかの人や動物に寄っていったり、飛びついたりしないよう、日頃からのトレーニングが大切です。
✓飼育スペースは十分な広さを確保!養育費も準備して
ドゴ・アルヘンティーノを含む超大型犬は、トイレも寝る場所も大きな体の分広さが必要になります。犬がゆっくりとくつろげる大きさのスペースが必要です。さらに、食費やペットシーツ代などの消耗品や、医療費、ペットホテル費なども、小型犬、中型犬より高額になります。住居スペースや金銭的な負荷を考慮したうえで迎え入れるようにしましょう。
✓自治体の特定犬制度の対象か確認、準備しよう
ドゴ・アルヘンティーノは、人に危害を与える可能性がある特定犬として飼育規制が設けられている自治体があります。各自治体で定められている遵守事項のほか、飼養義務もあるためドゴ・アルヘンティーノを飼う際は条件を満たす環境であるか、確認しておきましょう。