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1975年生まれ。2005年入社後、海外の生産工場で品質管理を担当。帰国後は本社にて生産管理、企画開発、営業、経営に携わった。2021年、社長に就任。
『AIRBUGGY(エアバギー)』のペットカートはどのように生まれたの?
目次
- ペットカートのある暮らしを提案する『AIRBUGGY(エアバギー)』
- 『AIRBUGGY』のペットカートをゼロから立ち上げた背景
- 大切に生み出したペットカートだから、長く快適に使い続けてほしい
- 本気で犬や飼い主のことを考え、50台以上の試作を重ねた
- 約2年は売り上げが伸びず苦労…うれしい声や口コミが自信に
- 人気モデル「DOME3」発売まで10年待機…使いやすさより安全性を重視
- 飼い主さんと愛犬が安心して使える、アフターサポートの充実
- 世界的にペットカートを牽引する存在になったからこその責任
- 犬とのお出かけをサポートし、ペットに優しい社会を目指す
ペットカートのある暮らしを提案する『AIRBUGGY(エアバギー)』
愛犬とのお出かけに便利なペットカート。ワンちゃんと一緒に行ける場所の幅が広がるだけでなく、夏の暑さや混雑・災害からワンちゃんの安全を守るのにも役立ちます。
ペット用品の定番の一つとして普及が進んでおり、街中やイベントなどで目にする機会も多くなったのではないでしょうか。
そんな日本でのペットカート市場をリードするメーカーといえば『AIRBUGGY(エアバギー)』。いまでは年間の売り上げ台数が2万台を超えるほどの人気商品ですが、開発当初はさまざまなハードルにぶつかったといいます。
「当時はまだ、ペットはモノ扱い。『犬は歩かせればいい。犬をカートに乗せるなんて』と笑われたこともありました」
そう語るのは原口敬太社長です。
『AIRBUGGY』のペットカート開発を手がけた原口敬太社長に、開発の背景や製品の特長、ペットを取り巻く社会環境の変化などについて聞きました。
『AIRBUGGY』のペットカートをゼロから立ち上げた背景
『AIRBUGGY』は、もともとは3輪ベビーカーの製造メーカーです。
当時の日本では、ベビーカーに軽さが求められていた反面、操作性や乗り心地はあまり重視されていませんでした。そのような中で、同社の創業者である飯田美恵子会長が3輪ベビーカーをハワイで見て衝撃を受け、日本でも操作性の良いベビーカーを作ろうと2002年に立ち上げたのが『AIRBUGGY』でした。
「『AIRBUGGY』で歩くことを通じて社会やユーザーさんのライフスタイルを豊かにし、新しい出会いや発見を提供したい」という理念のもと、現在ベビーカー、ペットカートを中心に日本だけでなく海外でも展開しています。
現社長の原口さんは、入社後すぐに中国の工場に赴任し、品質管理を担当。2007年に帰国し、生産管理や営業、企画開発、経営などに一通り携わったのち、2021年に社長に就任。同社がペットカートを開発した際には企画・開発の責任者を務めており、『AIRBUGGY』ペットカートの「生みの親」とも言える存在です。
大切に生み出したペットカートだから、長く快適に使い続けてほしい
『AIRBUGGY』を通して、ベビーカーの製品開発に長く従事し、良い製品を世に送り出しているという自負ある一方で、ベビーカーの使用期間は長くても2、3年。せっかく良い製品を作っても、赤ちゃんが卒業してしまうとその後使い道がなく、廃棄されてしまうという悩みも抱えていました。
もともと非常に頑丈なフレームでシンプルな構造の『AIRBUGGY』。エアタイヤなどの消耗部品を適切にメンテナンスできれば、10年は使用可能なベビーカーです。
このフレームにペットを乗せることができれば、飼い主さんとワンちゃんの「一緒にいたい」「一緒に思い出を作りたい」という願いが叶うペットカートとして役立つことができるのではないかというアイデアが生まれました。
そして、ちょうど2頭の愛犬を迎えた現会長の飯田さんと、愛犬と暮らしていた経験がある原口さんを中心に、ペットカートの開発プロジェクトがスタートしました。