2024年05月13日 公開
動物になりたくて、犬(コリー)になっちゃった人。SNSで大バズり。海外のメディアからも注目浴びた。「2023年に世界のメディアが注目した日本人100人」に選出。
犬になってみて何を思う? 着ぐるみで長年の夢を叶えたトコさんに聞いてみました。
目次
- 着ぐるみで「犬になりたい」を叶えたトコさん
- 大型犬のラフ・コリーに変身し、小さい頃からの夢を現実に
- 総額200万円! リアルさとかわいさを追求した着ぐるみが完成
- 海外でも話題沸騰!「私も動物になりたい」との共感の声も
- 「自分以外のものになれる喜び」犬として生活してわかったこと
着ぐるみで「犬になりたい」を叶えたトコさん
人生で一度でいいから動物になってみたい——。
家の中でくつろぐペットや気持ちよさそうに日向ぼっこする動物などをみて、そう思ったことのある人は多いのではないでしょうか。
なんと、それを実際に叶えてしまった方がいます。普段会社員として働くトコさんです。トコさんは「動物になりたい」という願いを叶えるべく、ラフ・コリーの着ぐるみを特注しました。
お腹を出してくつろぐ姿やお散歩、お庭でアジリティを楽しむ姿は、まさに犬そのもの。2022年に「動物になるという夢をかなえて、コリーになっちゃいました!」と、初めてのSNSでの投稿が大きく話題を呼び、海外のテレビ局から取材が来るなど、世界的に注目を集めました。
今回は、そんなトコさんに幼い頃からの夢や、実際に犬になってみての感想を伺いました。
大型犬のラフ・コリーに変身し、小さい頃からの夢を現実に
「動物になりたい」という夢を抱いたのは、幼少期の頃。トコさんはかつて白い雑種の中型犬を飼っていたことがあります。特にこれといった理由があるわけではありませんが、物心ついたときから漠然と変身願望のようなものがあったといいます。
「犬を選んだのは、単純に私が犬が好きだからです。特に、犬の中でもラフ・コリーは好きな犬種の1つでした。クリクリした目とふわふわの毛が好きです」
実際に動物に変身することは難しいため、トコさんが選んだ方法は着ぐるみで犬に扮すること。
ラフ・コリーは大型犬のため、人間が扮しても大きさに違和感がなく、かつ長毛種であることから、ふわふわとした毛により人間の骨格を隠しやすいというのも決め手でした。
総額200万円! リアルさとかわいさを追求した着ぐるみが完成
「動物になりたい」というトコさんの未知なる夢は、社会人になってお金が溜まったタイミングで、ついに計画を進めることとなりました。
まずはリアルな着ぐるみを作るために、トコさんは企画書を作成し、複数の会社への問い合わせから始めました。なかでも最も親身に相談に乗ってくれそうだと感じた特殊造型スタジオ ゼペットさんを選び、依頼することに。
「『犬になりたいので着ぐるみを作ってください』という一見奇妙な依頼に、真摯に対応してくださる会社を見つけて、長年の夢を叶えることができました。とてもワクワクしたのを覚えています」
特撮の造形や着ぐるみを制作している、動物の造形物の制作経験が豊富な方々と、何度も打ち合わせを重ねて、約10ヶ月ほどかけてラフ・コリーの着ぐるみを完成させました。
「くりっとした目やふわっとした毛並み、尻尾や背中のラインなど、犬らしさにもこだわりながら、かわいらしい仕上がりになりました」
特に、犬と人間ではどうしても大きさや骨格が異なってしまうため、なるべく小さく、そして人間の骨格が目立たないようにしたのも工夫した点です。
この着ぐるみにかかった総額は、なんと約200万円!
動物の着ぐるみは擬人化されたものが一般的ですが、トコさんのつくった着ぐるみは四足歩行。遠目でみたら本物のラフ・コリーと見間違えてしまいそうなほど、リアルな仕上がりです。
「想像以上の出来栄えでした。昔からの夢が叶って幸せな気持ちです。ご協力いただいた皆さんには本当に感謝してます」
海外でも話題沸騰!「私も動物になりたい」との共感の声も
完成した着ぐるみは、トコさんがお休みの日に着用しているといいます。
「せっかく作ったのでたくさん着たいのですが、最近は仕事とプライベートが忙しくてなかなか時間が取れません……なので、SNSに投稿する動画を撮影するという目的をもって着ることが多いです」
しかし、トコさんが着ぐるみを着てSNSに投稿すると、日本だけでなく海外からもたくさんの反響が。中には「私も動物になってみたいと思ったことがある」と共感のコメントも寄せられました。
アメリカの全国紙、『New York Post』 に掲載されたり、ドイツからレポーターが取材に来たりと、世界中のメディアにも多く取り上げられています。
「元々、個人的な夢を叶えるために始めたもので、造形スーツを着て“自分以外の何か”になることに楽しさを感じていました。なので、正直、海外の方からこんなにも多くの反響をいただいたことに驚いています。SNSを通して、自分と同じように考えたことのある人がいると知れて嬉しかったです」
「自分以外のものになれる喜び」犬として生活してわかったこと
想像を上回る人気を集めたトコさん。実際に犬になってみて、動物に変身することの喜びとともに、犬ならではの大変さも感じているといいます。
「やはり“自分以外のもの”になれることが幸せですね。自分じゃない自分に、ドキドキしたり、喜びを感じます。ただ、犬と人間は骨格も足や腕の曲げ方も違うので、犬のように見える動きというのはとても難しいです。より犬らしく見える動きを研究中です。あと、汚れた時のお手入れが少し大変ですね。外に出た時には土汚れがついたり、毛にゴミが付着したりするので、その都度、きれいにするのに手間がかかっています」
現在トコさんは、同じように「動物になりたい」という願いを持つ人たちに楽しんでもらえるよう、「動物になりたい(I want to be an animal)」というチャンネル名でYoutubeでも発信をつづけています。
「もちろん、他の動物にもなってみたい気持ちはあります。他の犬や、パンダ、クマとかは現実的にできるかもしれません。狐や猫もいいですが、人間が挑戦するには小さすぎますね......。いつか他の動物になる夢も叶えたいと思っています」
「犬になりたい」という願いを抱くだけでなく、実際に叶えてしまったトコさん。Youtubeでは、犬の姿で散歩する様子や本物のワンちゃんと触れ合う姿など、犬に変身した暮らしを発信しています。
人間が犬に変身したらどんな体験になるんだろう? 気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか。