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今回ご案内するお店は、用賀にある店内犬OKの隠れ家カフェ・レストラン「cafe Crumpets」。犬は店内に同伴可能で、犬用メニューもありますが、あくまでもドッグカフェではなく、店内OKのカフェ・レストランとし、人と犬が気持ちよく過ごせる空間を目指しています。今日は、お店に込められた想いを伺います。パパさん、ママさん、まわりのお客様にご迷惑をおかけせず、わんちゃんと楽しい一時をどうか大切にしてくださいね。
目次
- 店内犬OKのカフェ・レストラン「cafe Crumpets」に込められた想い
- 「cafe Crumpets」は、ドッグカフェではありません
店内犬OKのカフェ・レストラン「cafe Crumpets」に込められた想い
友人の家で、おもてなしを楽しむ感覚
季節の花が迎える入り口から扉を開くと、どこか懐かしいアンティークな空間。
味わいある木の椅子やローソファ、カラフルなブランケットや無造作に置かれた雑貨群。
その表情はひとつひとつ違うのに、決してカオスとなることなく、ハーモニアスなモダンリビングが広がります。
実はこの空気感こそ「cafe Crumpets」が紡いできた「犬と人の関係」にも繋がること、後々知るのですが。
今回ここを訪ねたのは、ご飯が美味しいカフェと出会うため。
もう一度言います。ご飯が美味しい。
素敵なインテリアに目を奪われつつ、勇んでメニューを開くのです。
まずオーダーしたのは、店名でもあるイギリスのパンケーキ、クランペット。いくつかあるトッピングの中から選んだのは「メープル塩バターCrumpets」。セットドリンクは、おすすめの紅茶で。(ポットで2杯ぶん!)。
もっちりとした生地は、卵未使用でほんのり小麦の味わい。トッピングにどっぷり浸かったパンケーキとは違い、生地の味わいをバターとシロップで頂くという感じです。そこに加わるクリスタルな岩塩の塩気 …… 美味しい。甘いものは少々苦手、という方にもおすすめです。
ともなれば、ご飯系も食べてみたい!目移りするメニューの中から「ナスと海老のトマトソースドリア」をオーダー。このドリアファンのお客様は多く、五年間週二回、来店し続ける方もいるのだとか。土台のご飯には、玄米を使用(ご飯ものは全て玄米)。健やか志向の方にも嬉しいポイントです。
驚きました。ドリアって上の具材で下のご飯を頂きますよね。このドリア、下のご飯単体でもいける …… 。
ご飯にはあらかじめ、トマトソースが絡められています。酸味は抑えられトマトの旨味と甘味が主役。そこに加わるじゅわりと焼かれた茄子、ぷりりとした海老 …… 上の具材が一緒ならなおのこと、どこをどうすくってもスプーンの上には「美味しい」しか乗りません。
なお、犬用メニューのご飯もこの玄米を使っています。
安心な食は、犬も人も幸せにします。
マーガレットのご飯が教えてくれたこと
カフェを切り盛りするのは、オーナーの杉本さん。会社員時代、ふと「あ、カフェやりたい」と思い立ち準備を開始。本格的に学ぶため会社を辞めてロンドンにある料理学校「ル・コルドンブルー」へ。そんな一連の行動につながるベースには、以前、語学留学のため渡った最初のイギリス生活にあったそう。
ホームステイ先のマーガレットが作ってくれた毎食のご飯がとても美味しく、慣れない環境で心細いなか、帰るのがとても楽しみだったという杉本さん。いざ「どんなカフェにしよう?」と考えた時に浮かんだのが、マーガレットの温かな料理たち。
「自分が美味しいと思えるものしか出せないんです。カフェで提供している犬のご飯だって同じ。自分の犬に食べさせたい、そういうご飯じゃなきゃお客様だって不安ですよね」。
「cafe Crumpets」は、ドッグカフェではありません
「ドッグカフェではありません」
犬OKでありながら、どうして?
この一行は、「cafe Crumpets」のホームページにもあります。そのルーツも、イギリスに。
むこうでは、犬だからといって過保護にせず、犬には犬らしい自由があるそう。だからといって、街や電車の中で吠える犬も、マナーが守れない犬もいない。
その背景には、飼う飼われるの上下関係ではなく、人は犬を敬い犬は人を信頼している関係があるのだとか。「そんな関係を、犬とお客様が紡げるカフェにしたい」。
開店してからの数年、時にマナーを守れないお客様に声をかけたことで、誹謗中傷にあったことも。でも、杉本さんは諦めませんでした。
今、「cafe Crumpets」では愛犬と一緒に来るお客様と、犬は飼っていないお客様が半々。
訪れてくれるお客様も犬も、マナーある人がほとんど。とてもいい状態を保っています。
「大前提としてカフェは食事をするところ。例えば他のお客様がいる空間で赤ちゃんのオムツ替えをするママはいませんよね。犬だって同じだと思うんです」と、杉本さん。
飼い主さんが安心している姿を見て「僕も安心していいんだ」と、穏やかに過ごすわんちゃん。そんなわんちゃんに、離れた席から微笑むティータイムのご婦人。
互いの空間を邪魔せず認め合える関係。そんなひとときを目にした時、杉本さんはとても幸せな気持ちになれるそう。
余談ですが …… 撮影上の都合でテーブルの配置を変えた私たちが元に戻そうとした時、杉本さんは言いました。「いいですよ、たまに位置変えるので。その配置も新鮮 …… 」。
マナーは、窮屈なルールなんかじゃない。マナーの先に、人も犬も心地いい「cafe Crumpets」が存在していること、納得してしまうひとコマなのでした。
お店の存在も、そしてお店までの道中も知る人ぞ知るcafe Crumpets。
最寄りの用賀駅からは、はじめてお伺いするお客様は徒歩15分程かかります。
これが、おなじみさんになると、10分で行けるんですよ。
詳しくはHPまで。