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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
犬が飼い主さんの手や服などを噛むのは、一体なぜなのでしょうか? ここでは3つのシチュエーションごとに、犬が噛むときの気持ちや理由を解説していきます。噛みグセのない犬に育てるための対策も必見ですよ。
目次
- ブラッシング中に噛むのはなぜ?
- トイレシーツを交換するときに噛むのは?
- 人の手や服を突然噛む理由って?
ブラッシング中に噛むのはなぜ?
犬にブラッシングしようとすると噛むのは、「イヤなことからはやく逃れたい」という気持ちのためです。
嫌がる犬に無理やりブラッシングしようとすると、噛むことが習慣になってしまうおそれが。まずは噛みグセがつかないように、おやつを使ってブラッシングに慣らし、「ブラッシング=楽しいこと」だと学習させましょう。慣れないうちは、ブラシをふだんから愛犬の目につくところに出しておくと◎。
最初はブラシを少し体にあてて、我慢できたらごほうびをあげます。おやつを与えつつ、さわりやすいところから徐々にブラッシングできる箇所を増やしていってください。
トイレシーツを交換するときに噛むのは?
飼い主さんがトイレシーツを交換しようとすると、「取られたくない!」と噛みつく犬もいます。これはトイレシーツを宝物やコレクションのように感じていて、飼い主さんから取り返そうとしているため。
トイレシーツのほか、おもちゃのボールや洗濯物、たまたま落ちていた紙くずなどが対象になる場合もあります
このような場合、犬が口にくわえているときに無理やり取り上げようとすると、犬の執着心をより強めてしまい、攻撃性を引き出してしまうことがあるのでやめましょう。犬に気づかれないようにトイレシーツを交換するか、何か別の口にしていいものと交換してあげてください。
人の手や服を突然噛む理由って?
愛犬が突然、飼い主さんの手や服などを噛むことはありませんか? 「何か気にくわないことでもあった?」と驚いてしまいますが、この場合たいていの犬は退屈していると考えられます。
退屈しのぎにモノを噛み、飼い主さんの気をひこうとしていたり、遊びに誘っていたりするのかもしれません。
「噛んだら飼い主さんが反応してくれる」と覚えさせないためにも、犬が突然噛んできたときには、無視するのが一番。「痛い!」と一言だけハッキリと言って、騒いだり叱ったりなどの反応はせず、すぐにその場を離れるようにしてください。
ふだんからおもちゃを噛ませる遊びや、引っ張りっこ遊びなどを十分に行うことが、噛みグセの予防につながりますよ。
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