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地元岐阜県関市にて2004年3月『和蕎庵』を、2023年に待望の『わん蕎庵』を開店。愛犬・ソアラ・ヒンナ(ラブラドールレトリバー)と、毎日一緒に出勤している。
犬連れ専用の蕎麦屋『わん蕎庵』とはどんなところ? “わんこファースト”のお店経営と、ラブラドールレトリーバー2匹を飼う店主の暮らしとは?
目次
- 大型犬も店内OK! 犬連れ専門の蕎麦屋『わん蕎庵』
- 愛犬と気兼ねなく食事を楽しめる、愛犬家のためのお店を考案
- 犬好き店主・古川さんの夢を詰め込んだ、“わんこファースト”な空間
- 1ヶ月で50頭の来店。多種多様なワンちゃんが集えるお店に
- 接客の第一優先は、「犬を愛でること」
- 「最後の瞬間、絶対に後悔しない」愛犬を迎えるときに誓う
- 言葉が通じないから、理解しようとする。犬ならではの魅力
大型犬も店内OK! 犬連れ専門の蕎麦屋『わん蕎庵』
愛犬と一緒に入れるご飯屋さんを探すのに苦労したことのある飼い主さんは多いのではないでしょうか。特に大型犬や多頭飼いの場合、ペット同伴可能なお店であってもお断りされてしまうことも。
また、一緒に入れても犬連れではない他のお客さんの迷惑にならないように気を遣う必要があったり、リードフックがなければリードをずっと手に持ったまま食事をしなければならなかったり……。
近年ペット同伴可能なお店が増えてきたとはいえ、愛犬も飼い主も心置きなくゆっくり過ごせるお店は今でもとても貴重な存在です。
そんな中、2023年の11月1日のわんわんわんの「犬の日」にオープンした大型犬専門の蕎麦屋『わん蕎庵』というお店があります。営むのは、手打ちそば職人かつ、犬をこよなく愛する店主の古川和美さん。
古川さんは、今年6歳になるソアラちゃんと2歳になるヒンナちゃんという名のラブラドールレトリーバーの飼い主さんでもあります。ソアラちゃんとヒンナちゃんはお店の看板犬を勤め、2匹の頭文字をとって「ソアヒン」という名でお客さんたちに愛されてきました。
古川さんはどんな想いを持って、犬連れ専門の蕎麦屋をオープンしたのでしょうか。“わんこファースト”のお店経営と、私生活について聞いてみました。
愛犬と気兼ねなく食事を楽しめる、愛犬家のためのお店を考案
犬連れ専門の蕎麦屋『わん蕎庵』は岐⾩県関市にあります。『わん蕎庵』は、2004年に創業された蕎麦屋『和蕎庵』の別館としてオープンしました。
『和蕎庵』もペット同伴可能なお店ではありますが、基本的には一般のお客さんをターゲットにしています。そのため、犬連れのお客さんは簡易的なテーブルとパラソルを建てた外のスペースで食事をしてもらっていました。
「いま『わん蕎庵』が建っているスペースは、もともと何もない場所でした。暑かろうが寒かろうが、ワンちゃんと飼い主さんにはそこに座ってもらっていたんです。こんな環境で申し訳ない気持ちでいっぱいだったのですが、それでも『愛犬とお蕎麦食べれてしあわせ。ありがとう』とたくさんの感謝の言葉をもらいました」
犬連れのお客さんにも、もっと良い環境で蕎麦を食べてもらいたい——。
そう思った古川さんは、まずはラブラドールレトリーバーのオフ会を『和蕎庵』で開催します。『和蕎庵』のSNSで声をかけたところ、2020年12月のある日、なんと20頭ものラブラドールレトリーバーと飼い主たちが集まりました。
そこで古川さんが感じたのは、飼い主さんたちが愛犬に向ける愛情の強さと、愛犬も飼い主も心置きなくくつろげる空間がもたらす幸福感でした。
「このとき、犬を連れている人たちが、もっと幸せにご飯を食べられる世界にしようよと、心から思ったんです」
コロナ禍でのペットブームの到来と共に、ペット同伴可能なお店は増えつつあります。しかし、大型犬が気兼ねなく入れるお店が少ないことは、自身が大型犬を飼う古川さんも実感してきたことでした。
「『ペット同伴OK』ではなく、もはや犬連れでないと入れないお店にしてしまおうと『うちの子でも入って大丈夫かな?』とか、『雨が降ってるから行けないね』とか、そんな心配は何一ついらないお店を僕自身が求めていたんです」
オフ会後『こんなに喜んでもらえるなら、もう店を作るしかないよね』と奥様とも意気投合。数週間後にはお店づくりのための打ち合わせを開始しました。「もうノリと勢いですよ(笑)」と古川さん。こうして、犬連れ専用の蕎麦屋『わん蕎庵』は生まれたのです。
「『わん蕎庵』は僕の夢が全部詰まっています。『こうしたらワンちゃんが喜んでくれるのかな?』とか、『こんな飾りの前でワンちゃんの写真が撮れたら絶対可愛い!』とか、内装を考えるのが楽しくて楽しくて(笑)完成したときには、本当に大満足でした」