日本テリアの性格や特徴は？飼い方のコツや寿命などについて解説【獣医師監修】

犬種名	日本テリア
英語名	Japanese Terrier
原産国	日本
分類	小型犬
グループ	3G：テリア

日本テリア【英語：Japanese Terrier】は、日本が原産の小型犬です。
ジャパンケネルクラブの犬種分類では、穴の中に住むキツネなど小型獣用の猟犬「3G：テリア」に属します。

日本テリアは、ニッポンテリア、コウベテリア、ミカドテリア、お雪テリアなどさまざまな愛称で呼ばれています。お雪テリアという名前は、アメリカの大財閥モルガン家の息子、ジョージ・モルガンの妻であるお雪の名前から取られた愛称です。

18世紀に、ヨーロッパから日本に持ち込まれたスムース・フォックス・テリアを、日本土着の小型犬と掛け合わせたことにより誕生した犬種です。日本テリアは、テリア種としては唯一の日本原産犬で、元々は交易船の中でネズミを捕らえる役割を担っていました。

その後、神戸や横浜などの港町で抱き犬として愛されるようになりました。しかし、戦争の影響で飼育数が激減し、戦後に本格的な育種が始まったものの、洋犬ブームの裏で人気は下火に。今では希少犬種として、熱心なブリーダーによって繁殖が行われています。

体高：約30～33cm
体重：5kg前後

日本テリアは小型犬に分類され、テリア種のなかでも小さく、コンパクトな体型をしています。

日本テリアの寿命は12～15歳といわれています。『アニコム家庭どうぶつ白書2021』によると、小型犬の平均寿命は14.4歳のため、平均とほぼ変わらないといえるでしょう。

犬を迎える際は、最期のときまでしっかり世話ができるかを考えておきましょう。
犬をみとる頃に自分は大体何歳になるか、犬の介護ができるか、自分の生活環境や経済状況などもあわせて考えなければなりません。

犬を迎えようと考えているシニアの方は保護犬などで成犬を迎えるケースも検討するほか、万が一自分が世話できなくなった場合を想定しておくことも重要です。犬の世話を頼めそうな人にあらかじめ相談して承諾を得てから迎えたり、老犬ホームといった預かり先を決めたりして急な環境の変化に備えておきましょう。

日本テリアはツートンカラーが特徴的です。ボディーがホワイト、頭部はブラック、タン（褐色）、ホワイトの3種類です。ボディーや目の周りにマーキングが入ることもあります。被毛は非常に短く、2mm前後。引き締まったスマートな外貌をしています。

日本テリアは愛玩犬として改良された犬種のため、機敏でパワフルな一面をもちながらも、ほかのテリア種と比べ穏やかな性格です。甘えん坊なところがあり、飼い主と触れ合うことが大好きです。

日本テリアを飼い始めるとき、飼い続ける際にかかる費用について説明します。

タイミング	内訳	費用の目安
迎えるとき	ペットショップ、ブリーダー	約30万円
飼い始めるとき	畜犬登録料	約3,000円
	生活用品（クレートやケージなど）	約5～7万円
1年に1回かかる費用	狂犬病予防接種費	約3,500円
	混合ワクチン接種費	約5,000～10,000円
毎月かかる費用	消耗品（フードやおやつなど）	約5,000～10,000円

飼い始める際にかかる費用

日本テリアをペットショップから迎える際の価格の目安は、30万円前後です。月齢や血統などにより、値段が上がることもあります。他にも愛犬を迎えるには友人や知人から譲り受ける、譲渡会に参加する、保護犬を迎え入れるといった方法もあります。

犬を飼い始めるときには飼い始めてから30日以内に（子犬の場合は生後91日を経過してから30日以内に）お住いの自治体に犬の登録（登録料は3,000円程度）を行うほか、混合ワクチン接種費や狂犬病予防接種費も必要になります。母犬の初乳から得た免疫は徐々に低下していくため、混合ワクチンを子犬期に計3回接種してさまざまな感染症を防ぐ必要があります。子犬を迎える際の月齢によっては、ペットショップ側でワクチンを3回打っているため、生体代と一緒にワクチン代も支払います。3回全て打っていない場合は、飼い主が動物病院に連れて行って接種させましょう。

狂犬病予防接種は生後91日を過ぎた全ての犬が年に1回接種するよう法律で定められており、子犬の場合は混合ワクチンの接種を終えて2週間過ぎたタイミング（およそ生後110日前後）で打たせます。

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飼い続けるために必要な費用

犬を養育する上での生涯コストは、ドッグフードやペットシーツ、留守番時のエアコン代、一般医療費、トリミング代、レジャー費など200~300万円といわれています。

なかには僧帽弁閉鎖不全症など手術費が100万円以上になる病気にかかる場合や、アレルギーなどによって継続的な通院や投薬の費用がかかることもあります。犬を迎えるにあたっては、計画的な貯金やペット保険の利用なども検討し、予期せぬ出費にも対応できるかよく検討しておきましょう。

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日本テリアを迎える際に必要な生活用品としては、クレートやケージ、サークルをはじめ、首輪やリード、食器、給水器、ドッグフード、トイレなどが挙げられます。
また犬が遊べるようおもちゃも用意するとよいでしょう。

犬の生体代を除く初期費用としては、5~7万円程度を見込みましょう。

毎月の消耗品としては、ドッグフードやおやつ、トイレシーツ、歯ブラシやボディシートなどが挙げられます。一般的に毎月の平均額は5,000円~10,000円ほどです。

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2022年6月から、ペットショップやブリーダーで販売される犬や猫にマイクロチップの装着が義務化されました。マイクロチップは思わぬ事故や災害で迷子になってしまったときに、保護された犬を飼い主の元へ返すための重要な役目を果たします。装着費用は3,000~5,000円程度で、さらに飼い主の氏名や住所、電話番号などの情報登録料としてかかります。登録はオンライン申請で300円、郵送する場合は1,000円です。

ドアを開けた際に外へ飛び出したり、散歩中大きな音に驚いて逃げてしまったりなど、飼い主の不注意やアクシデントで犬は迷子になってしまう可能性があります。そのため、日本テリアを迎える際は迷子対策もしっかり講じましょう。迷子対策としてはマイクロチップの装着のほかに、迷子札などの導入が挙げられます。

迷子札は、飼い主の連絡先を記載したキーホルダーで犬の首輪に装着します。値段は1,000~5,000円程度で、素材やデザインによって異なります。
そのほか、家からの飛び出しを防ぐために玄関にゲートを設置するといった対策を取るのもおすすめです。

日本テリアは、テリアのなかでもテリアキャラクターと呼ばれる頑固さが少ないため、トレーニングの難易度は並程度といわれます。活発な性質をもつため、トレーニングは落ち着いて行うようにしましょう。

日本テリアに限らず、犬は初めて見るものや知らない人と出会ったとき、恐怖心と警戒心から吠えたりおびえたりすることがあります。恐怖心や警戒心が強く現れる前の子犬の時期にトレーニングすることで、社会性を身に付けられます。

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✓散歩：30分程度を1日2回
✓運動量：ふつう
✓おすすめの遊び：ボール遊び、フライングディスク

日本テリアは明るく活発な犬種です。ボール遊びやフライングディスクで一緒に遊んであげると喜ぶでしょう。
寒さに弱い短毛種のため、冬の散歩時はウェアを着せてあげましょう。

✓自宅で過ごす時間が長い人
甘えん坊な性格ゆえに、姿が見えないと寂しくなったり、不安になったりする子もいます。留守が多い人よりは、自宅で過ごす時間が比較的長い人に向いているといえるでしょう。

✓十分な運動をさせてあげられる環境
日本テリアは小さな体ですが、テリア種ということもあり機敏ではつらつとした犬種です。小走りを交えた散歩や、ボール遊びで走らせるなどして、毎日十分な運動をさせてあげられる人がよいでしょう。

日本テリアがかかりやすい代表的な病気と対策方法を知っておきましょう。

✓遺伝性疾患
日本テリアは希少犬種で遺伝性疾患の起きやすい近親交配にせざるを得ない面があります。すべての日本テリアが遺伝疾患にかかるということではありませんが、こうした可能性も頭に入れておきましょう。

絶対的な個体数が少ないため、日本テリアがかかりやすい病気は不明です。小型犬一般としてかかりやすい病気を以下に挙げますので、留意してください。

✓関節疾患
関節に過剰な負荷がかかるとトラブルを起こします。居室の床材を滑りにくいものにし、ソファやベッドへの上がり降りをさせないようにするなどの対策が有効です。また肥満も関節に負荷をかける要因となるので、体重管理に気を付けましょう。

✓膝蓋骨脱臼
膝蓋骨が脱臼してしまう日本テリアなどの小型犬に多い疾患です。先天的に膝関節に異常がある場合や、外傷などで起こります。症状は４段階に分けられ、重症の場合外科手術による治療が行われます。

✓水晶体脱臼
眼の中にある水晶体は、チン小帯で眼球内に支えられています。このチン小帯が緩くなって水晶体を支えられなくなり、水晶体が前後にずれてしまう病気です。点眼など内科的治療を行う場合と、外科的治療で水晶体摘出手術を行う方法があります。

✓ブラッシング：1週間に1回
✓シャンプー：1カ月に1回程度
✓トリミング：必要なし

短毛種のためトリミングは不要です。全身を絞ったタオルで拭き、ブラッシングすることで日常の抜け毛が予防できます。
歯磨きは毎日～2日に1回、耳掃除や肛門腺絞り、爪切りは２週～１カ月に１回の頻度で行います。

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日本テリアと生活する上で注意すべきポイントを紹介します。

✓寒さに気を付けて！
日本テリアは短毛種で寒さに弱いため、エアコンなどで温度調整できる室内で飼い、洋服を着せるなどして暖かくしましょう。特に冬の散歩は注意が必要です。

✓高いところからの飛び降りに注意！
日本テリアは小型犬で骨が細いため、高い場所から飛び降りた場合に骨折をすることがあります。高い場所に上らせない、ソファには補助台を付けてあげるなどの配慮が必要です。激し過ぎる運動も避けましょう。

✓熱中症に注意！
小型犬のため地面からの熱を受けやすく、熱中症に注意が必要です。夏の散歩は朝早い時間や夕方以降にするなど配慮しましょう。