転勤族の夫とともに、全国を転々としている。現在は東京の片隅で書店員として勤務。今年、『書店員は見た 本屋さんで起こる小さなドラマ』を上梓した。

我が家の小さな車の後部座席で、ウォンカは娘にピトッとくっついて座っている。
目的地までは3時間半。休憩を挟みながら向かったら4時間を超えるだろう。
「途中で席を交換しよう」と、助手席の私が娘に提案すると、娘は「別にいい」と答え、ウォンカは娘のほっぺたをペロンとなめた。
最近のサービスエリアにはドッグランが併設されていることが多い。
ソフトクリームやホットスナック類を食べて、お土産を物色したあと、休憩がてらウォンカとドッグランに行き、中で遊んでいる小型犬を触らせてもらったりしているうちに、時間は過ぎていく。このままのんびり遊んでいては、今日中に宿に着かないのでは……?
もう、サービスエリアで十分じゃん。これだけで非日常。ウォンカは娘と一緒にはしゃいでいる。とは言っても、予約したんだから行かねばならぬ。
「行くよー!」と声をかけると、娘にリードを着けてもらったウォンカは笑顔で駆け寄って来た。
目次
- 海が目の前! 愛犬と一緒に過ごす、初めての家族旅行
- 海に滝に川遊び! ウォンカと過ごした夏休み
海が目の前! 愛犬と一緒に過ごす、初めての家族旅行
宿は、海の目の前の場所を選んだ。
前回も言ったことだが、大切なことなのでもう一度言おう。
私は、水辺が大好き。
オーシャンビューと聞くと、心が湧き踊る。
今回選んだ宿は岬にあり、道を挟んで海が眼前に広がっている。

急な予約だったが、連休明けでちょうど空室があり、ラッキーだった。
宿に到着し、チェックインを済ませると、ウォンカは意気揚々と階段を登って行く。
部屋のドアを開けると、娘と一緒に勢いよく飛び込んだ。
おおおお! めっちゃ海!(語彙力)
水平線が光り、遠くを船が行き来している。
チェックインの時に、夕陽が綺麗だということで日没の時間を教えてもらった。夕陽のあとはお部屋で食事の予定だから、それまで海岸で遊ぶことにする。
ちなみに、海岸で最もはしゃぐのは、ほかでもない、私である。
小さな海水浴場で、はしゃぎ回る中年女性を、地元の男子中学生たちが物珍しそうに見ているが、私は気持ちを抑えられず、大暴れした。
ん? ウォンカは? とお思いか。
ウォンカは、海に恐る恐る近づき、波が打ち寄せるたびに「キャン!」となっていた。
やはり、この分では、ライフガードは必要なさそうだ……。
ひとしきりはしゃいだあとは、石や貝、シーグラスを拾って、(私が)疲れたので、部屋に戻ることにした。
犬連れの人のための宿だけあり、屋外にシャワー完備。砂にまみれたウォンカの足を洗い、タオルで入念に汚れを落としてから、部屋に戻る。
夫は貸切風呂へ行き、私と娘が順番に部屋の露天風呂に入って、全員がサッパリしたところで、陽が落ちてきた。

夕陽の名所と言うだけあり、本当に綺麗!
ウォンカは、はしゃぐ私を不思議そうに見つめている。
(お気づきだろうか、終始はしゃいでいるのは私だけである)
ウォンカを連れて宿泊する場合、食事の時に部屋のケージに入れて、お食事処へ…みたいなスタイルは難しい。まずケージが嫌いだし、無理やり入れて大騒ぎされても困るし、逆にフリーにしておいて、部屋をめちゃくちゃにされるのはもっと困るわけで、お部屋食にするか、レストランへも犬同伴で行けるか、その二択となる。
今回は、お部屋にフレンチのコースが運ばれてくるスタイル。
食事を運んできてくださるスタッフのかた達は、皆さん犬好きで、可愛がってくれるので、ウォンカは終始ニコニコしていた。
海に滝に川遊び! ウォンカと過ごした夏休み
さて、翌朝。
ウォンカは早朝から夫と海岸を散歩して、朝ごはんを食べたら今日の目的地に出発!

今日は川のある公園と、滝! ずっと水!
まず、滝からスタートしたのだが、思いのほか楽しんでしまいお昼ごはんの時間になってしまったので、犬連れで入れるお蕎麦屋さんに入った。
犬連れで入れるお店は希少な上に、お蕎麦屋さんってとても珍しい。犬と一緒に入れるテラス席エリアは、私たちが入ったら満席になった。
見晴らしの良いテラス席には、犬、犬、犬。
皆さん犬連れなので、その可愛さにニヤニヤしてしまう。ウォンカは、テーブルの下に入り、伏せて私たちの食事が終わるのを待っている。
本当に、ウォンカのこういうところは素晴らしい。
ちょっとだけ待ってて! このあと、川遊びだからね!
川沿いにドッグランが併設された公園は、平日とあって空いていた。
昼間の一番暑い時間なので、ドッグランはやめて、川のごく浅瀬に足をつけて遊ぶ。 小魚がたくさん泳いでいるのが楽しく、私はずっと水面を見つめていた。

海は大好きだけれど、ウォンカの体を拭いたりすることを考えると、圧倒的に楽なのは川。
いやぁ、でも、どんなに大変だろうと海の素晴らしさには変えがたいのよね。
(前世では、海の生き物だったのかと思うほどに海を恋しく思う私だが、全く泳げません)
気が済むまで遊んで、帰路に着く。
今回は、夫の事前リサーチにかなり助けられた旅だった。
犬と遊べる場所、入れる店、それぞれの距離感、前もって調べることが、全力で楽しむコツだ!
家に着き、「このまま散歩に行く?」と声をかけたが、疲れているのか真っ直ぐに家に入ったウォンカ。
洗濯機を回したり、片づけをしたりして、ふと見ると半目でいびきをかいていた。
ウォンカも楽しかったということだろうか。
出かける前に、犬との旅は、ともすれば飼い主の自己満足になってしまうから、犬が出来るだけ快適に楽しく過ごせるように配慮したいと、夫が言っていた。
毎日、散歩に連れて行き、ごはんをあげているのは私なのに、ウォンカが“ご主人“と認識しているのは、私ではなく夫で、そこがいつも解せないのだけれど、こういうところが決め手なのかもな、と思う。











