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獣医師資格取得後、小動物臨床経験6年。主に犬猫の臨床に携わる。現在は子育てをしながら、愛猫と暮らしている。
ドッグフードに関するさまざまな情報が飛び交う昨今、何が本当なのかわからないというかたもいるでしょう。そこで今回は、ドッグフードに関するよくある疑問を、ピックアップしてご紹介。愛犬に合った、よいドッグフード選びの参考にしてみてくださいね。
目次
- ナチュラルなドッグフードの方が犬の体によいって本当?
- グレインフリーのドッグフードの方が犬にとって消化がよいって本当?
- 犬種別や機能性ドッグフードの方が犬の健康によいって本当?
ナチュラルなドッグフードの方が犬の体によいって本当?
ドッグフードの素材に、化学的に合成した原材料や着色料を使用していないことを示す、「ナチュラル」や「ネーチャー」というパッケージの記載。一見健康によさそうなイメージがありますが、これらがほかのドッグフードより、健康効果に優れているとは限りません。
そもそも、ドッグフードに使用される添加物などについては、「ペットフード安全法」という法律によって、犬が一生食べ続けても健康被害が起こらないと科学的に実証された量のみ、使用が認められています。
そのため、ドッグフードに使用される素材がナチュラルかどうかは、人の食事と同じように、素材にこだわりたいときの参考指標のひとつと考えておくとよいでしょう。
グレインフリーのドッグフードの方が犬にとって消化がよいって本当?
グレインフリーとは、小麦などのグルテンだけでなく、広く穀物(グレイン)を原材料に使用していないことを意味します。飼い主さんの中には、犬が穀物に含まれる炭水化物をそのままでは消化できないことから、「グレインフリーのドッグフードの方が、犬の健康によい」と考えるかたもいるようです。
しかし、ドッグフードに使用されている穀物の炭水化物は、加熱調理によってアルファ化され、犬が問題なく消化できることが実証されています。そのため、グレインフリーのドッグフードの方が、ほかのものより消化によいというわけではないのです。
ただし、穀物に対して食物アレルギーをもっている犬の場合は、グレインフリーのドッグフードが選択肢のひとつになることもあるでしょう。
犬種別や機能性ドッグフードの方が犬の健康によいって本当?
犬種別ドッグフードとは、その犬種の体格や被毛の特徴、かかりやすい病気などに配慮して、栄養素が配合されたもの。一方、機能性ドッグフードは、特定の健康状態を栄養面でサポートするために、栄養素が調整されたものです。
しかし、これらはあくまでドッグフードの種類であって、ほかのものより健康によいというわけではありません。そのため、これらのドッグフードを選ぶかどうかは、愛犬の健康状態などに合わせ、判断することが大切です。
なお、機能性ドッグフードは、病気の治療などに用いる療法食と混同してしまいがちですが、その目的は大きく異なるため、代用しないよう注意してください。
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