犬に小麦粉を与えても大丈夫！ アレルギーなどのリスクは？ 注意点や栄養素について解説【獣医師監修】

小麦粉は小麦を製粉したもので、犬が食べても大丈夫な食材です。ドッグフードの成形材としても用いられており、栄養面でも炭水化物やタンパク質、食物繊維などを摂取できます。ただし、生で与えると消化不良を起こす恐れがあるため、必ず加工・加熱したものを常温から40℃程度に冷ましてから与えましょう。

特にイースト菌などを使った生地は、犬の体内でさらに発酵を続けてしまい、嘔吐や下痢の可能性があるため注意が必要です。

なお、老犬や消化器官が未発達の子犬にとっては、特に消化器の負担となる場合があります。下痢や嘔吐をしないか様子を観察しましょう。

おやつで与える場合は、主食の1日摂取カロリーの10％未満を目安にします。これはカロリー過多や栄養バランスの乱れを防ぐためです。主食ドッグフードの栄養が基本となるので、「あくまでおやつ程度」と考えましょう。おやつは必ず必要な物ではありません。

犬に小麦粉でつくったパン、ケーキやクッキーは大丈夫？

市販の人間用のパンには、玉ねぎやレーズンなど犬にとって危険な食材が含まれることがあります。また、人間用のパン、ケーキやクッキーには砂糖、バター、生クリーム、卵などさまざまな食材を含むことが多く、カロリー過多になりがちです。

もし、犬に小麦粉製のパン、ケーキやクッキーを食べさせるなら、味付けがない・食べてはいけないものを含まない、犬用につくられたものにしましょう。

 

市販品を選ぶ際は、原材料表記をよく確認してから与えます。甘味料の中にはキシリトールのように、犬にとって有害なものもあるため、必ずチェックしてください。またおいしそうに見えるように配合されている保湿剤、乳化剤、防カビ剤、合成着色料、天然着色料、発色剤なども注意が必要です。

犬に小麦粉でつくったうどんは大丈夫？

うどんは小麦粉と水、食塩でつくられています。炭水化物の割合が高く、食べ過ぎは肥満の原因になります。うどんを与える場合は、味付けしていないものを少量にとどめておきましょう。

特に調味料を加えただしやトッピングにネギ類を使うことは絶対に避けてください。ネギ類（ネギ、玉ねぎ、ニラなど）に含まれる成分が犬の赤血球を破壊し、貧血や中毒症状を起こす恐れがあります。

犬に小麦粉と米粉、どちらがいい？

米粉はお米を製粉したもので、アレルゲンとなるグルテンを含んでいません。そのため、小麦アレルギーを持っている犬には米粉のほうがいいでしょう。しかしお米にアレルギーを示す子には米粉もアウトです。小麦粉も米粉も与え過ぎには注意しましょう。

そば粉や大豆粉、タピオカ粉などの代替粉もありますが、原材料に愛犬にとってのアレルギー食材が含まれていないか、事前に確認すると安心です。

アレルギーを引き起こす原因をアレルゲンと呼びます。食物アレルギーの主なアレルゲンは、タンパク質です。小麦に含まれるタンパク質と水が混ざってできる「小麦グルテン」がアレルギーの原因となり、以下のような症状が現れます。

 

• かゆみや皮膚の赤み
• 涙や目ヤニの増加
• 下痢や嘔吐
• 食欲不振や体重減少

もし、このような症状が見られた場合は、小麦粉を含むフードやおやつを与えるのをやめます。できるだけ早く動物病院を受診しましょう。

動物病院では食物アレルギーの診断・治療が受けられます。小麦粉アレルギーが判明したら、グルテンを含まないフードに切り替えます。また、市販のドッグフードやおやつを与える前には、必ず原材料に小麦粉が入っていないことを確認しましょう。

なお、小麦粉をはじめ、初めての成分を与えるときは、消化不良やアレルギーなどによる体調の変化が起こる可能性があります。少しの量から与え始め、万一体調が悪化してもすぐに動物病院の診察を受けられるように、平日の午前中などにしておくといいでしょう。

こういった症状が出て心配な場合や不安がある場合は、獣医師に相談し、食物アレルギー検査（血液検査や除去食試験など）を受けてみるのも一案です。犬が普段と少しでも違う様子を見せていて自己判断が難しい場合は、かかりつけの獣医師と相談しながら進めるといいでしょう。

小麦粉は三大栄養素である炭水化物、タンパク質、脂質を全て含み、食物繊維やビタミン・ミネラルも含みます。

炭水化物

小麦粉の主成分で、即効性のあるエネルギー源となります。

タンパク質

筋肉や皮膚、臓器をつくるうえで欠かせない成分です。ホルモンや神経伝達など、体の機能を調整するためにも不可欠です。

脂質

小麦の胚芽部分には脂質が多く含まれ、リノール酸、リノレン酸などの必須脂肪酸が豊富です。

食物繊維

小麦粉の中でも全粒粉には食物繊維が豊富に含まれます。腸内環境を整える働きがあります。

ビタミンB1

糖質のエネルギー代謝に関わるビタミンで、疲労回復を助けます。脳と神経を正常に保つ働きもあります。

ミネラル

骨や歯をつくるのに欠かせないカルシウム、体内の浸透圧を調整するカリウム、エネルギー産生など体内のさまざまな機能に必要なリンなどを含みます。

小麦粉を使った簡単おやつのレシピをご紹介します。詳しくは下の関連記事リンクをご覧ください。

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小麦粉を原材料とした犬用おやつは、カインズのオンラインストアでもご購入いただけます。

Pet’sOne ボーンビスケット 野菜ミックス

犬用のおもちゃやケア用品など、さまざまなアイテムがそろっています！

ペット用品（犬）通販｜ホームセンターのカインズ

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小麦粉に含まれる栄養素は、毎日のドッグフードで十分に補えます。健康のためにと無理して与える必要はありません。おやつやごほうびとして、小麦粉を含むクッキーなどをたまに与える程度でよいでしょう。また、アレルギーや消化不良のリスクがあるため、注意が必要です。もし不安がある場合は、獣医師に相談してから食べさせるようにしてくださいね。