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家にいるときに音楽を流すことってよくありますよね。人間は音楽を聴いて癒されたり、テンションが上がったりしますが、犬はどう感じているのでしょうか? 人間と同じように犬にも好きな音楽や嫌いな音楽があるのでしょうか? 今回は「犬の好きな音楽、嫌いな音楽」についてご紹介します。
目次
- 犬の聴覚は人とどう違うの?
- 犬の好きな音・嫌いな音とは?
- 犬にも好きな音楽・嫌いな音楽があるの?
- 犬に音楽を聴かせるといい場面は?
犬の聴覚は人とどう違うの?
犬の鼻の良さはよく知られていますが、犬の五感で嗅覚の次に敏感とされているのが聴覚なんです。音の聞こえる範囲は、人間が16~20,000ヘルツなのに対して、犬は65~50,000ヘルツなどと言われ、人間の4~8倍も耳が良いと言われています。
一般的に私たちが犬の「耳」と呼んでいる部分は、耳介(じかい)と呼ばれ、人にとっての耳たぶにあたります。この耳介が大きいことで、広く音を集めることができます。犬が音を聞き取れる範囲は人の約400倍と言われ、1km以上離れた音を聴くこともできるんです! そして、音を聞き取る方向も、人の2倍の32方向となっています。
ちなみに、犬の種類によって立て耳や垂れ耳がありますが、耳の形状によって聞き取れる音の範囲の差はほとんどありません。
犬の好きな音・嫌いな音とは?
犬の好きな音楽・嫌いな音楽の前に、まずは犬が好きな音・嫌いな音について解説します。「飼い主が玄関を開ける前から、犬が先に気づいて待っていた」「フードをあげようと袋を手に取ったら、音を聞きつけて走ってきた」ということは犬を飼っている方なら経験があるかと思います。
大好きな飼い主さんの足音も、おいしいごはんの合図も犬にとっては大好きな音です。他にも、犬には好きな音・嫌いな音がありますので、紹介していきます。
犬の好きな音
1.飼い主さんの足音や声
飼い主が自分に近づくと素早く立ち上がって出迎える、「散歩にいくよ」という声を聞いていち早くリードをもってくるなどの反応をします。
2.ドッグフードの袋やおもちゃの音
「ガサガサ」というドッグフードの袋を開ける音や、いつも遊んでくれるおもちゃの音も大好きです。特におもちゃは、「ピッピッ」などと高い音で鳴る音が好きと言われます。その理由は、小動物などの鳴き声に似ており、本能を刺激するためと言われます。どちらも尻尾を振りながら駆け寄ってきます。
犬の好きな音は、音自体が好きというよりも「この音がしたらこうなる」という経験に基づいています。「おもちゃの音がしたら遊んでもらえる」「飼い主さんが撫でてくれる」など、幸せな体験を積むことで、好きな音が増えていきます。
犬の嫌いな音
1.雷や花火などの爆発音
突然大きな音がすると、人でもびっくりします。まして、耳のいい犬なら余計に驚いてしまいます。雷は飼い主が怖がっていると、犬も不安を覚え恐怖が増してしまいます。
2.掃除機やドライヤーなどの大きな音
犬は自然界にない音や大きな機械音は苦手です。「掃除機をかけたら、犬が掃除機に吠える」といった現象は、犬が掃除機の音が苦手なために起きています。
犬は基本的に予測できない音が苦手です。自動車の音なども慣れないうちはビックリしてしまうかもしれません。インターフォンなどの日常の音は、少しずつ慣れさせていきましょう。最初は小さな音から始めて、徐々に音を大きくしていきます。途中で犬が怖がったり不安がったりした場合は小さな音に戻しましょう。自動車など外の音は、散歩の際にパニックになってもいいようにリードを短めに持ち、怖がったら無理をせず引き上げることも大切です。
犬にも好きな音楽・嫌いな音楽があるの?
動画などで赤ちゃんが泣いたら犬も吠えたり、飼い主さんとセッションしたりする犬の姿を見ると「犬にも音楽がわかるの?」と不思議に思いますよね。実は、犬にも人間と同じように好きな音楽と嫌いな音楽があるんです。それぞれについて解説していきます。
犬の好きな音楽
●テンポの遅い音楽
クラシックなどのゆったりした音楽は犬を安定させる効果があると言われています。クラシックの中でも、やさしくスローペースで途中に急激な変化がないものが特に好まれます。
犬の嫌いな音楽
●テンポが激しく重低音の多い音楽
一般的に、ヘビメタやハードロックなどの短く、曲調の激しい音楽は犬の攻撃性を刺激すると言われ、犬がストレスを感じたり、不安定になるケースも少なくありません。しかし、犬の元気がない場合など状況や性格により、テンポが激しい音楽を聞かせると、犬の気分を高揚させたりすることもできます。
犬は元々群れで生活する動物なので、一緒にいる仲間の心理状態を察する能力に優れています。だから、飼い主が音楽を聴いてリラックスしているのを見て自分もくつろぐことができると言われています。しかし、苦手な音が含まれている音楽は、いくら飼い主がリラックスしていても犬は不安を覚えてしまいます。一緒に音楽を楽しむためにも、犬の苦手な音を知っておきましょう。
犬に音楽を聴かせるといい場面は?
愛犬と一緒に音楽を聴いてリラックスする習慣をつけておくと、犬にとって「音楽はリラックスして聴くもの」という感覚が生まれます。一緒に音楽を聴く習慣をつけておくと、こんな時に役立ちます。
留守番の時
飼い主が不在の時など、犬が不安になることがあります。そんな時、クラシックなどのテンポの遅い音楽を聴かせるとリラックスさせることができます。落ち着いて留守番をさせたい場合などに聴かせてみるのもいいでしょう。
散歩の時
元気づけたい時などに特定の音楽を流すといい場合もあります。例えば、散歩の時などにハイテンポな曲を聴かせると犬の気分を高揚させることができます。また散歩の前など、特定の時間の前に流すようにすると、「この音がすると散歩の時間だ」と習慣づけることもできるので、特定の音楽を聴かせてみるのもいいでしょう。
雷などに怯えている時
雷など大きい音などで驚いている時も、リラックスできる音楽を流すことで落ち着きを取り戻すことがあります。犬と音楽を聴く習慣を身に付けると、犬にとって音楽は生活に密着したものになります。
※記事内に掲載されている写真と本文は関係ありません。