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【検証】失敗写真がよくバズってる羊毛フェルトキット、実際のところそんなにモンスター化しちゃうもんなの?
SNSなどで定期的にバズっている「失敗してモンスター化した羊毛フェルトキット」。これって実際のところ、みんなウケようとしてわざとモンスター化してない……? そんなわけで、「手芸の素人が羊毛フェルトキットに挑戦したら、実際のところそんなにモンスター化するもんなの?」という疑問を検証していきたいと思います。
Twitterでよくバズってるアレ、実際のところどうなんだ……!?
みなさんこんにちは、Twitterが大好きなライター、シュゴウです。
Twitterって、定期的にバズる定番ネタがありますよね。「なんかムキムキに見える動物の写真」「かけ算の順序論争」「もともとは日常的な内容なのに誤字って恐ろしい意味になっちゃってるツイート」などなど。
そんなTwitter定番バズネタのなかでも、特によく見かけるのが、「失敗してモンスター化した羊毛フェルトキット」です。
羊毛フェルトとは、羊の毛を針で チクチク突き刺して動物などを作る手芸の一種なのですが、Twitterでは「羊毛フェルトキットに挑戦した結果、失敗してモンスター化してしまった……」といった具合のツイートがそれはもうよくバズっています。
ネットで「羊毛フェルト」と検索すると「羊毛フェルト 失敗例」と検索候補が出てくるほどで、なんかもう、ネットのおもしろコンテンツの1つのジャンルといっていい程にモンスター化した失敗例の写真があるので、みなさんもぜひ見てみてください。
見ましたか?
モンスター化した羊毛フェルトキットの写真、めちゃくちゃありましたよね?
キットなのに、お手本と比較してこんなに極端に胴体が長くなっちゃったりするの?……って思いましたよね?
そんでもって、いや……必ずしもそうとは言えないけど、でも、ひょっとしたら……
って、思いましたよね?
いや、別に私は思ってないんですけど。
手芸素人が羊毛フェルトキットに挑戦したら、実際のところそんなにモンスター化するのか検証
はい、ということで、「手芸の素人が羊毛フェルトキットに挑戦したら、実際のところそんなにモンスター化するもんなの?」という疑問を検証していきたいと思います。
今回やってきたのはハンズ新宿店の手芸コーナー。
羊毛フェルトのキットはもちろん、羊毛フェルトに必要な針やマットの他、キットじゃない羊毛フェルトも完備。充実した品揃えです。
今回は、ハンズで売っていたしろくまの赤ちゃんの羊毛フェルトキットに挑戦することにしました。
一緒に羊毛フェルトの作成に必要な針(ニードル)とフェルティング用マットも購入します。あとはハサミ、定規、ボンドがあればOK。
私は羊毛フェルトはもちろん、手芸も学校の授業で経験した程度の手芸素人ですが、今回は「そんなにモンスター化しちゃうもんなの?」という疑問を検証するため、最高難度の「★★★チャレンジ」をチョイスしました。
初羊毛フェルトですが本気で取り組み、どこまでお手本のしろくまを忠実に再現できるか挑戦します。
キットに入っている材料はこんな感じ。各色の羊毛と、目のパーツが入っています。
今回のキットには、長い糸状の羊毛(画像左)と、マット状の羊毛(画像右)の2種類が用意されていました。
どうやら、まずはマット状の羊毛で形を作り、その後に糸状の羊毛を纏うように突き刺していくようです。
まずは各パーツごとに切り分ける
さっそくチクチクしてやるぜ! と思ったら、まずは羊毛を各パーツごとに計測して切り分ける必要があるようです。しかも結構複雑だ……!
「キットって材料がぴったりの分量で入ってるのがいいよな〜」と思っていたのですが、いきなり材料を各パーツごとに計測して分ける工程が発生して、ちょっと不安になってきました。
ここでミスったら、後々リカバリー効かなくなるやつじゃん……。
まずは説明書通りにガイドとなる図を書き、マット状の羊毛を切り分けていきます。
左上の✕マークは、最速で計測をミスって修正したあとです。気にしないでください。
糸状の羊毛も、長さを定規で測って切り分けます。
失敗例の写真をネットで見ていたときは、「あれれ~? キットなのに、お手本と比較してそんなに腕が長くなるなんておっかしいよ~」と心の中のコナン君が騒いでいたのですが、材料がかなり多めに用意されていたので、計測をミスった結果、体の一部がめちゃくちゃアンバランスな猫や犬が誕生してしまった……というケースは全然ありえそうです。
各パーツをチクチクするぞ!
羊毛を切り分け終えたら、よし! さっそくチクチクすっぞ!
まずはしろくまの頭パーツを作ります。このようにシート状の羊毛を丸めたら……
こんな感じにチクチク刺し、固めていく。
こんなふわふわなのに、ちゃんと固まっていくの……? と不安に思いながらもチクチクしていると、
めっちゃギュっとしてきたじゃん!! なんで!?
ということで、「羊毛フェルト 仕組み」で検索してみました。
どうやら、針(ニードル)の先はささくれのような形状をしており、ここに羊毛が引っかかることで表面の繊維が内側に食い込み、糸がフェルト化して固定されていくようです。
実際、差し固めた羊毛はかなりギュッとした密度と硬さになっていて、サイズも最初の半分くらいに縮んでいました。押し込むと、ムギュッと詰まっている感触がしてなんか気持ちいいです。
頭の次はボディを制作。説明書には各パーツごとの実寸台の台紙が描かれているので、こんな感じでサイズ感をチェックしてチクチクしていく。
同じ分量の羊毛でも、刺し固めが甘い場合はお手本よりもだいぶずんぐりしたサイズ感になってしまいます。
うん、実際にこうやって作ってみると、いたるところに「モンスター化」する要素が潜んでいることがわかりました。
完成するまでは、「うちの子は大丈夫かしら……」と、教育熱心なママみたいな不安を抱えながら制作することになります。
次は耳のパーツの作成。
耳のように小さくて薄いパーツを作るときには、このように厚紙に挟んで形状を整えていきます。細かいパーツはキレイに形を作るのが難しい!
耳の内側は、黒い羊毛を使って色をつけます。
フェルティングマットに耳のパーツを載せ、上からチクチク黒の羊毛を刺していくと、耳のパーツに黒の羊毛が一体化! チクチクするだけで簡単に羊毛同士がくっつきました。
逆に言うと、一度くっつけると羊毛同士が絡まった状態になるので、間違えても元に戻すのはかなり難しいです。
そう、顔とか目とかも基本一発勝負なので、ミスるとどんどんモンスターに近づいてしまいます。ふわふわしてるくせにだいぶシビアだよ~。
更に難易度アップ! マット状羊毛と糸状羊毛を組み合わせる
次は腕を作成していくのですが、この工程から「マット状羊毛」に「糸状羊毛」を巻きつける作業が発生します。
まずは今まで通りマット状羊毛を刺し固め……
その周りに糸状羊毛を巻き付けます。全然関係ないけど、色味、めっちゃチーズちくわっぽくない??
初めからある程度固まっていて作業がしやすいマット状羊毛に対し、糸状羊毛は羊毛が束になっているだけの状態なので崩れやすく難易度が高め。
ギュッと押し込んで植え付けるような感じで作業を進めます。
20分くらいチクチクし、ようやくいい感じになりました。
マット状羊毛の時より表面の質感が「動物の毛皮」っぽくてテンションが上がります。
そして、耳のパーツの時と同様、黒の羊毛を植え付けて……
肉球が完成!
細い糸で小さい丸を作るの、めっちゃムズかった~。
ビフォーアフターを見てみましょう!
左の3つの羊毛が組み合わさり、ギュッとなって一本の腕が完成しています。
接着剤とか一切なし! チクチクするだけでくっつけたり形を作れるなんて、普通にすんごい。
ただ、針を扱う以上、集中していないと指に思いっきり針を突き刺してしまい、
こんな顔になります。
この時の私はまだ知らないんですけど、後3回はこの顔になります。
腕と同様に足も作成したら、
ようやくすべてのパーツが完成しました!
目のパーツを埋め込み、黒の羊毛で鼻を描いて……
体を合体!
全てのパーツをつなぎ合わせれば……
ようやく完成!!!!!!
制作時間10時間以上。ついに、しろくまの赤ちゃんに命がやどりました。
手芸素人が難易度高めの羊毛フェルトキットを作ったら、お手本通りかわいく再現できるのか?
それともTwitterでバズってる失敗例みたいにモンスター化しちゃうのか?
はたしてどっちだ!?
ようやく完成! お手本通り or モンスター化 どっちだ⁉
はい。
……う~ん。
……………………どっちだこれ?
お手本と比べるとこんな感じです。
……なんというか、どっちでもない??
結局、わざとモンスター化してるの? してないの?
はい、ということで、検証結果は「お手本通りにもモンスターにもならない」という中途半端な結果になりました。
改めてお手本と比較してみた個人的な感想としては……
そんな感じです。
兄に見せたら「とりあえず、こいつ歩くときは絶対に四足歩行じゃなくて二足歩行だよね」と言われました。
確かに、お手本のずんぐりした腰回りが全然再現できていないせいで、しろくまっぽさが失われています。
あと、完成してから気づいたのですが、本来はボディを糸状羊毛フェルトで覆わなければいけないところ、その作業を完全に忘れていました。
よく見ると、ボディと手足の色が微妙に違う……。
実際に羊毛フェルトキットに挑戦するまでは「ウケを狙ってわざと失敗してモンスター化しているのでは……?」と思ったりもしていたのですが、
ということがわかりました。
うん、作る人やキットの難易度によっては、普通にモンスター化しちゃうなこれ。
羊毛フェルトでオリジナル作品を作ってみよう
今回は予備としておなじキットをもう一つ買っていたので、どうせならこのキットを使ってオリジナルの羊毛フェルト作品を作りたいと思います。
10時間以上作業を続けていたので、とりあえずランチパックで休憩。
動物やキャラクターは造形や顔が難しいので、次に作るものは造形がシンプルで顔や表情が存在しない題材を選ぶことにします。
いや~。それにしても想像以上に時間かかったね~。
初めてにしては良くできたほうだと思うんだけど……。
はい、造形がシンプルで顔や表情が存在しない題材ということで、ランチパックを羊毛フェルトで作ってみました。
色のシンクロ率がハンパじゃないですね。
遠くから見たらこんな感じ。今度はクオリティなかなかなのもんじゃない!?
「ただの四角形だし簡単だろ」と思われるかもしれませんが、ランチパック特有の「ふっくらとしつつ端だけギュッと圧縮している感じ」を再現するのが結構難しく、完成までに数時間かかりました。
こういうのは世界観が大事なので、よりランチパックっぽさを醸し出すため、キッチンの電子レンジの上にラップをしてセット。
うん、完全にランチパックですね。
「おやつに食べてね~ ママより」って付箋と一緒に置いてあったら、手を洗ってなんの疑いもなくかぶりついちゃうよね。
ということで、複雑な羊毛フェルトキットはモンスター化しても全然おかしくないくらい難しいので、初心者の方には造形がシンプルなキット(丸っこい鳥とかアザラシとか)か、ランチパックを作ることをオススメします。
以上、シュゴウがお送りしました。