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漫画家(元トリマー/JKCB級ライセンス取得)2018年よりドッグトレーナーの漫画「DOG SIGNAL」をKADOKAWAコミックブリッジにてWEB連載中。
「犬の漫画が描きたい」。そんな思いを叶え、人気漫画を生み出した女性がいます。みやうち沙矢さんです。犬をテーマにした漫画『DOG SIGNAL(ドッグシグナル)』で活躍の場を広げるみやうちさんは、読者からも愛犬家の漫画家として知られています。
愛犬たちとの日々から、みやうちさんが教わったという大切なこととは?
目次
- 「犬と暮らしたい」一途に思い続けたみやうち沙矢さん
- 学生時代に漫画家デビュー。犬の漫画執筆に向け熱烈アピール
- 「犬を主役に描きませんか?」運命を変えた編集者の一言
- ドッグトレーニング漫画『DOG SIGNAL(ドッグシグナル)』の誕生
- 『DOG SIGNAL(ドッグシグナル)』を通して伝えたいこと
- 老犬になっても、生きようとする姿そのものが愛おしい
- 「常に犬が中心」愛犬家みやうち沙矢さんの犬漫画への情熱
「犬と暮らしたい」一途に思い続けたみやうち沙矢さん
みやうちさんと愛犬たちの最初の出会いは、高校3年生のときです。幼稚園の頃、実家で飼っていた雑種犬の「ペロ」をかわいがった記憶はあるものの、ある日、ペロが他界。それ以来、両親からは「死んじゃうとかわいそうだから」と飼うことを強く反対され、子どもの頃はずっと「犬と暮らしたい」と思い続けていました。
「高校3年生のときにやっと願いが叶ったんです。ブリーダーをしていた叔父が、高校卒業のお祝いにシェットランド・シープドッグの男の子を譲ってくれました。小さい頃からよく犬の絵を描いて、叔父さんに見てもらっていたんです。叔父さんは、私の犬への気持ちをわかってくれたんだと思います。私にとって初めての愛犬の名前は、『マーシー』と名付けました」
「小学生の頃からトリマーになると決めていました」と話すみやうちさんは、高校卒業後、トリマーを養成する学校へと進学しました。
学生時代に漫画家デビュー。犬の漫画執筆に向け熱烈アピール
専門学校でトリマーの資格を取得した後は、トリマーのアルバイトもしていたみやうちさん。2年生になり卒業間近の頃、一つの大きな転機が訪れます。漫画家デビューが決まったのです。
絵を描くことは子どもの頃から好きだけれど、「漫画家なんて夢のような話」だと思っていたと、みやうちさんは振り返ります。それでも、専門学校に入学後、世間の価値観に対する違和感や伝えたい思いが生まれ、漫画を描くようになりました。
「出版社の編集者さんに読んでほしい」と、まんが雑誌のコンテストに応募すると、漫画家デビューの一歩手前の「研究生」に選ばれます。
みやうちさんは専門学校を卒業するまで約1年の間、2ヵ月に一度、漫画家の研究生として漫画を投稿。デビュー作は、編集部の方針で恋愛漫画に。恋愛漫画を勉強しながら連載を続けました。
「原稿料をいただいて漫画を描けるようになったから、頑張らないと! と思う一方で、やはり犬に関わる仕事がしたいという思いを捨てきれなかったみやうちさん。
連載のかたわら、「犬の漫画を描かせてください」と編集者に企画の提案を続けていました。しかし「犬が主役の漫画は需要がないから」と、ずっと断られていたといいます。
それでも初めて、1回読み切りとして掲載された犬の長編漫画がありました。
「当時、一緒に暮らしていたマーシーよりも少し大きい、コリー犬と女の子が絆を深めていく物語を描きました。この漫画が『DOG SIGNAL(ドッグシグナル)』の原点です」