愛犬と暮らすメンバーで構成された、犬愛の強いメディア編集部です。 「犬想い」を軸に、ワンちゃんと飼い主さんの暮らしが上向く情報をお届けします。

目次
- 我が家の犬が会話を盗み聞きしている(気がする)
- 犬は人間同士の会話を聞いて、言葉を覚えられる?
- では「散歩」「ごはん」は、どうやって覚えている?
- 声のトーンだけで判断しているわけでもない
- 人間同士の会話から言葉を覚えられるのは、どんな犬?
- 言葉を覚える犬は「遊び好き」?
- なっとうにも、おもちゃの名前を教えてみたい
- 本当に名前を覚えた?家庭で確かめる方法
- 言葉を覚えないからといって「賢くない」わけではない
- 参考文献
我が家の犬が会話を盗み聞きしている(気がする)
【この記事は5分で読めます】
我が家の愛犬、トイ・プードルの「なっとう」は、人間の会話を聞いているような気がするんです。
なっとうに話しかけているわけではなく、家族同士で普通に話しているだけ。それなのに、知っているらしい言葉が出ると急にこちらを見たり、ソワソワし始めたりします。
「……今の話、聞いてた?」
犬と暮らしていると、そんな瞬間がありませんか?
とくに反応がいいのが「散歩」や「ごはん」などの言葉。こちらとしては国語の授業をした覚えなんてないのに、いつの間にか意味を知っているように見えます。
犬は私たちの話をどこまで理解しているのか、獣医師の茂木千恵先生に聞いてみました。
犬は人間同士の会話を聞いて、言葉を覚えられる?
2026年に科学誌『Science』で発表された研究では、物の名前を覚えることが特に得意な犬が、人間同士がおもちゃについてやり取りする様子を見聞きすることで、新しいおもちゃの名前を学習できたことが報告されました[※1]。
犬に直接名前を教えていないのに、人間同士のやり取りから覚えていた。これは、冒頭の「なっとう、もしかして私たちの話を聞いてる?」という疑問にも、ちょっとつながりそうです。
では、この結果を「犬は人間同士の会話を聞いて、言葉を覚えている」と受け取っていいのでしょうか?
「そこは少し慎重に考える必要があります。今回研究の対象になったのは、『Gifted Word Learner(GWL)』と呼ばれる、物の名前を覚えることが特に得意な犬たちです」
※Gifted Word Learner(GWL)は、多くの物の名前を覚え、名前と物を結びつけることを特に得意とする一部の犬を指す研究上の呼称です。 これまでの研究ではボーダー・コリーに多く見つかっていますが、ラブラドールやポメラニアン、ジャーマン・シェパード、トイ・プードルなどでも確認されています[※5]。

「とても興味深いのは、犬が自分に直接話しかけられていなくても、周囲の人のやり取りを見聞きすることで、新しい物の名前を学べた点です。
つまり、少なくとも一部の犬は『自分に向けられた言葉だけ』を学習材料にしているわけではない、ということですね」
ただし、これを「犬は私たちの日常会話の内容まで理解している」と考えるのは適切ではないと茂木先生は続けます。
「今回調べられたのは、あくまで『この名前は、このおもちゃを指している』という物の名前の学習です。『明日』『うれしい』といった目に見えない言葉や、文章の意味、文法、人が何を考えながら話しているのかまで理解しているかは分かっていません」
なるほど。「横で会話を聞きながら学べる犬がいる」ことは分かりました。しかし、「人間の会話が分かる」ところまで話を広げてはいけないんですね。













