「防蟻(=シロアリ対策)」のパイオニアである株式会社ザイエンス。創業は大正11年の100年企業が開発した『BL-24』のメカニズムに迫る。
2020年12月28日 ストーリー公開 2020年12月9日 本編公開
株式会社ザイエンスは、防腐や防蟻処理を施した木材を製造・販売し、防蟻工事も請け負う企業だ。創業は大正11年。昭和・平成の時を経て、令和4年となる2022年には、ついに100年企業の仲間入りを果たす。
「創業当時の大正11年は、工業化の真っ只中。そのために急増したのが電柱ですが、かつての電柱は木製。線路に敷かれた枕木も、すべてが木製でした。当然、放っておけば腐ってしまいます。腐らずに長持ちする防腐処理木材の製造が、私どもの出発点です」(須貝部長)
「耐久性を高めるにも、家の美しさを保つにもシロアリ対策は不可欠ですが、機密性に優れた現代の住宅は、温暖な場所を好むシロアリにとっても格好の環境です」(渡辺サブマネージャー)
家庭用防蟻材『BL-24』は一見すると、単なる段ボール箱。これを土に埋めるだけで、シロアリ駆除が可能となる。しかも、巣を丸ごと弱体化させるというから驚きだが、そこにはシロアリの生態を逆手に取ったメカニズムがあった。
働きアリは大好物の木材を見つけ巣に持ち帰る。仲間たちに分け与えるが、これはザイエンスがしかけた“甘い罠”。自らを駆除するとは知らず、シロアリは薬剤を含んだ木材を食べる。
まさにシロアリの生態を熟知するからこそのメカニズムだが、木材と薬剤含浸のプロでもあるのがザイエンスだ。木材と薬剤の相性を吟味し、シロアリの食指が動く味わいはもちろん、食感まで追求している。
「木をたくさん使うこと、そして長く使うことは二酸化炭素の放出を抑制することになり、地球温暖化の防止に寄与することになります。持続可能性が求められるいまこそ、ザイエンスの技術をさらに高めることで、社会全体に貢献できるはずです」(須貝部長)