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愛犬と向き合い、絆を深めるアクティビティとして注目を集めるドッグヨーガ。今回はドッグヨーガの考案者・大沼則子さんの指導を受け、自身もドッグヨーガインストラクターを志す福田深幸(みゆき)さんと愛犬タレ(チワワ、5歳、メス)のこれまでの歩みをご紹介します。
目次
- 愛犬との出会いを導いてくれた「ドッグヨーガ」
- 「タレがふっと重くなる瞬間が嬉しい」
- 自分自身もドッグヨーガで前向きな気持ちに
- ドッグヨーガの力で犬も人もハッピーに
愛犬との出会いを導いてくれた「ドッグヨーガ」
―愛犬のタレちゃんとの出会いはドッグカフェだったそうですね?
はい、東京・両国にある「AHBASE」で出会いました。ここはハンディキャップのある犬や、さまざまな個性を持った犬と触れ合える場所で、相性がよければ家族として迎えることができます。 当時、私は先代の愛犬ムーをなくしたばかりで、寂しい思いをしていたのですが、ムーの生前にドッグヨーガを教わっていた大沼則子先生が、「両国でドッグヨーガをやっているから、あなたも来てみない?犬を飼っていなくても、そこで預かっている犬達とドックヨーガできますよ」と声をかけてくださったのです。ムーとの経験上、ドッグヨーガの素晴らしさはよく知っていたので、すぐに参加させていただくことにしました。
―カフェにいた犬の中から、なぜタレちゃんを選んだのですか?
AHBASEでの初めてのレッスンの日、「どんな子がいるかな?」と犬たちとのふれあいコーナーを覗いたところ、フレンドリーな犬たちに混じって、ひたすら吠え続けている犬が。これが、タレとの最初の出会いでした。タレは繁殖犬を卒業してAHBASEで暮らしていた犬でしたが、とにかく警戒心が強く、最初は人間はもちろん他の犬たちとも馴染めずにいたのです。ひと目見て、タレのことが気になってしまった私は、タレと一緒にドッグヨーガをしてみることに。もちろん、最初はレッスン中も吠えていましたが、心を込めてドッグヨーガをしているうちにタレは少しずつ私に慣れてくれるようになりました。
「タレがふっと重くなる瞬間が嬉しい」
―ドッグヨーガを通じて、タレにはどんな変化がありましたか?
驚くほど変わりました。一番の変化は、私に心を開いてくれたことです。ドッグヨーガをやっていると、ふっと愛犬が重く感じる瞬間があるのですが、それは愛犬が心から安心して、一緒にヨーガをしている人に身も心も委ねてくれた瞬間なんです。だから、最初にタレの重みを感じた日は、タレが私を信頼してくれていることがわかって、本当に嬉しかったですね。それからは、ドッグヨーガの回数を重ねる度に、タレとの心の距離がぐんぐん縮まっていきました。すると、人間への警戒心が薄れたのか、タレは以前よりも吠えなくなり、ドッグカフェに来るお客さんにも可愛がってもらえるようになりました。
ドッグヨーガの回数を重ねる度に、タレとの絆が強まるのを感じたので、半年ほど前にタレを家族に迎えることにしました。その後もずっとタレと一緒に大沼先生のレッスンに通って、ドッグヨーガを続けています。大沼先生を始め、以前、カフェで吠え続けていたタレの姿を知っている方には「タレちゃん、変わったね!優しくなったね」と言っていただくことが多いです。まったく吠えなくなったわけではないですが、普段はおっとりと落ち着いて過ごせるようになりましたし、他の犬ともトラブルなく過ごせるようになりました。
自分自身もドッグヨーガで前向きな気持ちに
ータレとのドッグヨーガを通じて、福田さん自身にはどんな変化がありましたか?
ドッグヨーガをしていると、タレが私を心から信頼してくれていることが感じられ、私も心が満たされるためか、以前のように悩んだりイライラしたりすることが少なくなりました。悩んでいる自分を客観的に見られるようになって、上手に心を立て直すことができるようになった気がするんですよね。 あと、自分では意識していないのですが、大沼先生はじめ周囲の皆さんからは「明るく積極的になった」と言われることが多くなりました。
―タレとのドッグヨーガの時間は、福田さんにとってどんな時間ですか?
とにかく、楽しいです。そもそも、最初に先代のムーと一緒にドッグヨーガを始めたのは、ムーの病気を治す方法を探していたときに、偶然、書店で大沼先生の監修したドッグヨーガの書籍をみつけたのがきっかけでした。つまり、ムーの病気を治してやりたいという「目的」のためにヨーガをやっていたのです。
でも、今は何の目的もなく、ただひたすらに「今」という時間をタレと一緒に楽しんでいます。どんなに仕事や家事が忙しくても、ドッグヨーガの時間だけは私とタレだけの贅沢な時間。タレに100%向き合える時間です。この時間があるからこそ、毎日、前向きな気持ちで過ごせています。タレもドッグヨーガの時間は、いつも以上に安心しきって私に身を委ねてくれている気がしますね。いまや私とタレの生活に、ドッグヨーガはなくてはならないものになっています。
ドッグヨーガの力で犬も人もハッピーに
―将来はドッグヨーガのインストラクターを目指していらっしゃるそうですね。
はい、今年はより本格的にドッグヨーガを勉強し、ドッグヨーガインストラクターの資格を取得したいと思っています。といっても、指導者として活躍するというのではなく、ボランティア活動の一環として皆さんにドッグヨーガの楽しさをお伝えできるようになるのが、私の目標です。
例えば、保護犬を家族に迎えたいと考えている人たちが犬と信頼関係を築くのをお手伝いしたり、かつてのタレのように人間不信に陥っている犬のためのドッグヨーガ活用法を提案できたりしたら、嬉しいですね。今はまだ仕事が忙しいので、定年後にそんな活動ができるように、少しずつ準備を始めたいと思っています。もちろん私自身も、タレと一緒にもっともっとドッグヨーガを楽しみます。そして、犬と暮らす楽しさや素晴らしさを多くの人に伝えていきたいです。