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愛犬と暮らすメンバーで構成された、犬愛の強いメディア編集部です。 「犬想い」を軸に、ワンちゃんと飼い主さんの暮らしが上向く情報をお届けします。
わんちゃんとゆっくり楽しめる本格フレンチレストラン「Grandir」のシェフであり、愛犬マックスのパパである藤田真義さん。プライベートでマックスとお出かけした際に、一緒に入れるおいしいレストランがないことにある思いを感じていました。
愛犬と楽しむ理想のレストラン「Grandir」の誕生
堀切菖蒲園のほど近く。閑静な住宅街にふっと現れるフレンチ「Grandir」。
オーナーシェフの藤田さんは、東京會舘に27年勤務。お父様の介護をきっかけに、ご実家の1階にあった町工場をクローズし、その地でGrandirをオープン。今年で8年目を迎えます。
柴のマックス(雄)と暮らす藤田シェフ。以前訪れたパリでは、わんちゃんとゆっくり楽しめる美味しいレストランがたくさんあったそう。でも、日本にはそんなレストランがない。
元々独立を考えていたシェフは、自分が店を持つならば、日本の社会にはほとんどない「わんちゃんと一緒に入れるフレンチレストラン」でした。
ところが、店の所在地となるご実家の立地も含めて周囲は大反対。さらに、タッグを組んだ奥様はなんと犬が苦手!
それでも熱意を伝え続けるシェフに、とうとう奥様は「厨房は手伝えても、わんちゃんを相手にするホールは手伝えないかもしれない」という条件で、首を縦にふります。「やるなら、とことん」。藤田シェフと奥様の、ゼロからの挑戦が始まります。そこには、藤田シェフの料理から生まれる、数々のドラマがありました。
藁をもすがる思いで愛犬と訪れたお客様
ある日、初めて来店されるお客様のなかに、少し元気のないわんちゃんを連れたご婦人が。その子のご飯にはお魚を注文。でも、少しも食べてくれませんでした。厨房から見えるご婦人の悲しげな表情に、藤田シェフは再びお鍋を握ります。遠くからわざわざ来店されたかもしれない、悲しい気持ちで帰すことだけはしたくない。
「もし、普段からお魚料理を食べさせていないなら、チキンの方が食べるかもしれません」。サービスとして、チキンの料理を出してみたシェフ。
すると、パクパクパクと食べ始めて。そんなわんちゃんを前に、涙を流すご婦人。チキンをきれいに食べ終えました。帰り際、ご婦人は感謝の言葉を何度も繰り返したといいます。
3日後、お店に1通のメールが届きました。そのメールで、シェフと奥様は、あの日ご婦人に溢れた涙の理由を知ります。
実はその子は末期ガンだったこと。来店までの一週間、何も食べられなかったこと。「少しでも食べさせたい」藁をもすがる思いでグランディールを訪れ、嬉しそうに食べていたあのチキンが最後の食事だったこと。
すべてを知ったシェフと奥様は涙が止まらなかったといいます。それから数ヶ月後、ご婦人はわんちゃんの写真を持って再訪。一周忌もGrandirに訪れてくれました。
わんちゃんが、飼い主さんを連れてきてくれる
訪れるわんちゃんのなかには、料理もさることながらシェフが好き!と、毎回同じ席(シェフが一番よく見える席)を陣取って、じーっとシェフを見つめる子も(笑)。「わんちゃんが、飼い主さんを連れてくるんですよ」と、藤田シェフ。
オープンから8年。奥様も、今ではすっかり犬好きに。Grandirは今、平日は近所の常連さんが、週末は遠方からも、シェフの料理に舌鼓を打つわんちゃんと飼い主さんで賑わいます。
「飼い主さんの名前より、わんちゃんの名前を先に覚えます。それは、僕ら夫婦が心がけていること」
シェフ曰く、レストランに犬を連れてくるお客様は特に、“自分よりわんちゃん”というほど愛情深い方が多いそう。お客様にとって大切なことが、自分たちにとって一番大切なこと。そんなシェフのお料理は、食材への愛に満ちたものでした。
<旬のフレンチおまかせコース>
前菜:合鴨の胸肉ポワレ カシスソース
スープ:じゃがいもと玉ねぎとライスのクリームソース
魚料理:舌平目と天使海老の白ワイン蒸し
肉料理:国産牛フィレ肉のグリル フレッシュフォアグラソテー添え
デザート:桜と抹茶のシフォンケーキ(ドリンク付き)
わんちゃんと共に行ける日本有数のフレンチレストランGrandirは、
菖蒲園で有名な葛飾区の堀切菖蒲園に存在するわざわざ行きたくなる本当の隠れ家レストランです。
お店の場所はこちらをご覧あれ。