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カインズだからできる「データの即戦力化」 プライベートブランドが“くらしの隙間”を埋める

スタッフ

石橋雅史

石橋雅史

カインズ 日用雑貨SBU長。1996年に入社し、店舗勤務を経て、商品部でバイヤーの育成やSPA化の推進を経験後、販売促進部長・営業企画部長を歴任。2018年より日用雑貨SBUの部長を務める。

カインズの成長を支える「SBU戦略」

10年以上、横ばい状態が続くホームセンター業界で右肩上がりの成長を続け、総売上1兆円超のベイシアグループの中核を担うカインズ。

その背景には、SBU(ストラテジック・ビジネス・ユニット)と呼ばれる独自の事業戦略がある。社内をSBUという事業部ごとに分社化し、各SBUが独自の施策を実行していくという戦略だ。

そのSBUの中のひとつ、日用消耗品類の開発・仕入・営業企画などを担う「日用雑貨SBU」では、“よい商品を売る”という当たり前のところから一歩踏み込んで、日常のあらゆるシーンで“お客様のくらしに驚きを提供する”ために日夜奮闘している。

これからの日用雑貨SBUの展望や、中途人材の採用について、同事業部の部長・石橋雅史に話を聞いた。

当たり前の毎日を「Wow!」で変えていく

「ホームセンター」と聞くとDIYや園芸のイメージが強いかもしれませんが、カインズでは洗剤やトイレットペーパーなどの、いわゆる“日用品”も豊富に取り揃えています。それらの商品の開発・仕入れから、営業企画にいたるまでの全般を担うのが「日用雑貨SBU」です。

最近では、ドラッグストアなどでも日用品の取り扱いが増えてきているので、同じ商品を同じように販売していては“らしさ”が出せません。ですのでカインズでは、驚きを意味する「Wow!」をキーワードに掲げることにしました。

「よい商品を売る」という当たり前のところから一歩踏み込んで、洗濯や掃除などのちょっとしたシーンで、お客様のくらしに驚きを提供する。驚きとともに、商品への納得感や、くらしがよくなったことを実感していただけるような店舗作りを目指す──。当たり前の日常をちょっと便利にすることも、立派なライフスタイル提案だと思うんですよね。

カインズ 日用雑貨SBU部長 石橋雅史

カインズ 日用雑貨SBU部長 石橋雅史

そして、それを実現するためには「PB(プライベートブランド)とNB(ナショナルブランド)の共存」が重要だと考えています。私たちが扱うカテゴリーは、花王さんやライオンさんをはじめ、独自の商品開発力を持ったメーカーが非常に多い。そういったパートナーさんの商品を排除して、自分たちの力だけでお客様のくらしをよくしていこうというのは、独りよがりな発想だと思うんです。売れるのがPBでもNBでも、結果的にお客様のくらしがよくなればいい──そこがスタートラインですね。

では、どうすれば「PBとNBの共存」の効果を最大化できるか? ひとつの答えは、NBだけでは埋まらない“空白地帯”をPBで埋めていくという考え方です。くらしが多様化した現代では、メーカー各社のNBだけでは事足りない部分が必ず出てきます。かゆいところに手が届くような商品、特に新しい生活様式において求められる商品は、自分たちで作る。早くからSPA(製造小売業)に転換したカインズの強みを発揮し、多くのお客様のくらしをよりよくするには、そのような役割分担が最適解だと考えています。

カインズだからできる「データの即戦力化」

「Wow!」を広げていくには、我々が売りたいPB商品を一方的に作ったり、自分たちの尺度だけでNB商品を仕入れたりしてもうまくいきません。そのために必要だと考えているのが「データ解析」です。

カインズにとっての「データ」は、具体的には「ID-POSデータ」と呼ばれるものです。簡単に説明すると、従来のPOSデータが“いつ”“何が”“いくつ”売れたかがわかるものだったのに対し、ID-POSデータは、そこに“誰が”という要素が加わったもの。さらに“誰が”を深掘りすると、性別や年齢層だけでなく、新規顧客か継続顧客かという分類も加わってきます。どんな人が商品を手にとってくださったかがわかると、「どんな商品を開発すればいいか?」だけでなく、「どんな売り場を作ればいいか?」や「どんなプロモーションを行えばいいか?」も見えてくるんです。

例えば、今後の強化カテゴリーのひとつに「男性化粧品」があります。化粧品と言っても、見た目をキレイにするメイクアップ用品ではなく、臭いや汗などの不快な要素を解消するための商品を想定しています。いわゆるデオドラント商品ですね。そして、男性向けデオドラント商品のデータを紐解くと、実は購入者の大半は女性で、土日に購入されるケースが圧倒的に多いんですよ。

これらの情報から、土日に夫婦で買い物に来て、奥様の意向やアドバイスを受けて購入されるケースが非常に多いと推測できます。ということは、売り場の作り方やメッセージの届け方において、男性だけでなく女性の視点も取り入れるべき。商品を使われるご本人に「自分のために」と語りかけるのではなく、奥様やパートナーの方に向けて「旦那さんや恋人のために」というアプローチを行うことが、男性化粧品をより多く手にとっていただくための近道だったです。

アンティークの煉瓦で作った立水栓

週末のDIYで自宅をバージョンアップ。こちらは、アンティークの煉瓦で作った立水栓

そして現在、カインズでは約10万点以上のアイテムを扱っていて、約1,000万人分の顧客データを有しています。10万×1,000万とすると、とんでもない桁のデータになります。特に、家で使うものはほぼすべて揃っているので、コロナ禍で“おうち時間”が長くなった現状にも対応しやすい。その膨大なデータを分析して、開発と販売の両面を自社で行える環境下でOne to Oneマーケティングを行えるというのは、データ解析を生業としてきた人にとっても魅力を感じていただけるのではないでしょうか。

いま我々が目指しているのは、データ解析専門の独立した組織構造にするのではなく、私のような営業寄りの人間がその組織を管轄するというカタチです。データ部門と営業部門の間にある“壁”を取り払えないという話を聞くことがあります。「営業部門傘下のデータ部門」という組織構造にすることによって、貴重なデータを、営業の現場で即戦力的に使っていきたいんですよね。そうすることで短期的に成果をあげることもできると思うので、個々のやりがいにもつなげやすいのではないでしょうか。

肝心の「データを扱う組織」は、現時点では未完成。完成までの道のりは遠い、というか、本当の意味での完成なんてないかもしれません。いまのカインズにはない経験・スキルを持った方にジョインしていただくことで、その組織が完成形に一歩近づくんです。

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